Do you remember? 制作記(4)挫折からのブラッシュアップ

ギターの録音に関して、最初は俺が弾くことも想定していたんだけど、コードが複雑すぎてちょっと無理、ということになり、いろいろ考えた結果、Bettyさんの知り合いの超絶巧くてキャリアもある方にオファーを出すことに。

 

最初の段階ではとりあえずやってくれそうな雰囲気だったものの、デモを聴かせたら、「ちょっとこれではやれません」とお断りが。ガーン……詳細は省くけど、要はクオリティが低いと判断されたわけだ。

 

そこそこ自信があっただけに、これは正直ショックだった。このデモの何が悪かったのだろうか。単にこの方との相性が悪かっただけかもしれないが、それで済ます気にはなれなかった。

 

そこで、改めてアレンジをがっちり見直して単調かつ安易な部分を手直しすることに。

まずはサンプリングのフレーズをそのまんま使用していたドラムを16分に分解して、それぞれを微妙にズラしてグルーヴを追求、さらに拍子の頭にルートで鳴らしていただけのベースを一旦やめることにした。しかし、やめたはいいが、どうするか。

 

前回書いたように生ベースのリフやフレーズを入れるのは、そもそもの方向性として違う。じゃあどうすんのよ。相当頭を悩ませたが、結果的に採用したのが、あの特徴的なドドドドというベース(つっても聴いてないからわからんよね)。まあとにかく、やや変態的かつ個性的なベースフレーズをねじ込むことに成功したんですよ。これが曲のスパイスになって、一段レベルアップできたのは間違いない。

 

このギタリストに改めて完成系を聴かせたとしても曲に対する意見は変わらないかもしれない。それでも、ブラッシュアップする機会を与えてもらったという意味では深く感謝している。このことがなければ、今回のベースのフレーズは絶対に生まれなかったんだから。

 

それはそれとして、ギターはどうしましょう。代わりのギタリストを探す案もあったが、結局はギターなしで行くことになった。実のところ今回のアレンジにおいてはギターの置き所が難しいなと考えていたので、思い切ってカットしてしまおうと。

 

ただ、間奏が間延びしてしまう。ここにギターソロを入れてもらう予定だったのだ。協議を重ね、提案されたアイデアここだけ生ベースにするというもの!ボスよ、まだ諦めてなかったかw 

 

これに関しては曲の根幹にかかわるところではないし、アクセントとしても意外に面白いかもしれないと思い、やってみることになった。

ベーシストはBettyさんの旦那さん。何人か候補はあったものの、ギタリストに断られたトラウマもあって、曲の方向性も経緯もすべて理解している近い人のほうがいいだろうという判断に。

こちらからの要望はモータウンのレジェンド、ジェームス・ジェマーソンっぽいんだけど弾き過ぎないフレーズでというもの。 無茶ぶりもいいところ。でも、粉骨砕身で頑張っていただいたおかげで、結果的にはいい感じになったので個人的にもこのパートは気に入ってます。

 

そんなこんなで、こねくり回しながらも何とかアレンジは完成へと向かっていった。あとはミックスとマスタリング…と思いきや、この段階でBettyさんからまさかの提案が…

 

(続く)