「Sings」制作記#4 ミキシング

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前作の制作記でも書きましたが、正直に言うと、私はミックスとマスタリングに関しては素人に剛毛が生えたレベルです。

 

https://gingerdoesemall.hatenablog.com/entry/2023/01/19/121356

 

自作曲と知人の作品をいくつか手がけたことがある程度で、当然専門でやってるプロと比べると経験値もクオリティもかなり差があります。

 

ただ、それは見方を変えると「伸びしろがある」ということでもあります。なんてポジティブ!

 

実際、前回に比べると新たなプラグインをいくつか導入したりもして、明らかにレベルアップしたなあと自分でも感じます。

 

一番大切なヴォーカルトラックに関しては、これまでローエンドをバッサリカットしていたのをやめました。セオリーとしてはローエンドを切ることですっきりと抜けが良くなるんです。ただ、Bettyさんの声質だともともとその帯域が弱いので軽くなりすぎてしまう。芯と音圧がなくなっちゃうんですよ。

 

これに気づいたおかげで、ずいぶんヴォーカルのまとまりが良くなったと思います。

 

今回、唯一意見が衝突したのは(といっても大したことないけど)、コーラスの音量バランス。Bettyさんはコーラスをかなり大きめにミックスして広がりを出したかったようですが、自分としては真逆の意見で、むしろ小さくして目立たせたくなかったんです。

 

コーラスを大きくすると、ソリッド感が失われるんですね。今回の曲はある種ロックでもあるし、ふわっと広がる柔らかい雰囲気は絶対に違う。ということで、ここは強弁して無理やり納得してもらいました。

 

リードヴォーカルの音作りについても同じ考えで、軽く歪みを加え、ほどよくザラついた質感を目指してます。

 

それからベーストラック。録音段階でも散々苦労しましたが、音作りでも納得いくバランスがなかなか見つからず苦労しました。音圧を上げようとすると抜けが悪くなり、抜けを良くしようとすると軽くなる。

 

最初はアンプシミュレーターや調整のためのエフェクトを6個くらい使ってたんですが、完全に行き詰まりました。そこで、思い切って一旦全部リセット、コンプとEQの最低限のシンプルなセッティングにして調整をやり直したらようやく望む音に近くなりました。結局シンプル・イズ・ベストってことか。しかしベースの音作りがこんなに難しいとは…

 

あ、そうそう、時系列で言ったらもっとだいぶ前の話になるんですが、イントロのこと書き忘れてた。デモ時点でのイントロはクラヴィとリズムボックスのみで、ローパスフィルターをかけてこもった音から徐々に開いていくようなアレンジにしてたんです。

 

ただ、ここはBettyさんから「具体音を入れて、シネマティックで情景が浮かぶようなものにしてほしい」と要望が。それは面白い!とノリノリで作りました。不穏な効果音とともに、虐待野郎がドアを乱暴にノックして部屋に入ってくる様を表現。そしてイントロの最後での撃鉄の音は……リスナーの解釈に任せます。

 

そんなこんなで、どうにか2mixを完成させました。次回はいよいよラスト、マスタリングへ。(続く)