「Sings」制作記#4 歌録り

各種プラットフォームで配信開始されました!よりどりみどりです。

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さて、歌に関しては、Bettyさんの旦那さんの意見も伺いつつ進めていきました。実は旦那さんには随所でディレクションやらアドバイスやらで助けていただいてます。

 

私が手を入れる前の最初のデモは、比較的ストレートなチキチキの16ビートで、Bettyさんはその上でわりと伸びやかなニュアンスで歌ってらしたんですね。

 

私がアレンジしたバージョンのデモではその伸びやかな歌のトラックをそのまま使いました。

 

その結果、なんつうか、ファンキーなんだけど、どこか異質なものが上手く組み合ったようないい感じのグルーヴが意図せず出てたんです。意図せずにね。

 

そう、私は自分で作っておきながら、そこが肝ってことがよく分かっておらず、最初はむしろ逆に音価を短くして歯切れのいいヴォーカルを求めたんです。だってファンクって通常はそういうもんだから。

 

ただ、これがしっくりこない。決して悪くはないんですが、ベースの時にも書いた「うねるグルーヴ」が生まれない。おっかしいな…なんでデモのあの感じにならないんだろう…と自分でも原因が分からないままBettyさんには「なんか違うからやり直し」みたいなゆるふわな指示で録り直しをさせました。鬼か。

 

まあ、それとは別問題でBettyさん自身も私のアレンジしたトラックのBPMになかなか慣れることができなかったようです。当初は感情やグルーヴを乗せるところまで行けず、歌詞とメロディを追うことでいっぱいいっぱいでした。

 

そうそう、デモからはBPMを10以上アップしてるんです。トラック作る側としては、BPM10の差なんて大したことないだろうと思ってたんですが、実際歌う方からしたらかなり大変だったみたいですね。しょっちゅう難しい難しいって嘆いてましたw すまぬw

 

で、何回目かで旦那さんが、冒頭で書いた「異質なものが重なることで生まれるグルーヴ」について指摘してくれたんですね。そこで、私のトラックに合わせて歌うんじゃなく、あえて私が手を入れる前の最初のデモをバックトラックにして伸びやかに歌ったらどうかと案が出たんです。

 

それは面白いかも!と試しにやってもらったらこれがハマった。円を描くようなグルーヴを意識して歌ってもらったのも良かったですね。

 

このころには何回も歌い込んだ成果もあって、感情もかなり乗るようになっていい意味での「粗さ」が出てきたんですよ。Bettyさんの歌って、良くも悪くもソフトでスムーズなんですよね。でも、今回の曲は歌詞が歌詞だし、トラックもアグレッシブなので、従来のナチュラルで優しい感じではバランスが取れない。なので「ぶち殺してやる!」って気持ちで歌ってくれとお願いしました。このへんはBettyさんとしても新機軸だったみたいですね。

 

歌詞の世界観についてはBettyさん本人による解説をぜひお読みください。曲への理解が深まるかと。

 

https://note.com/betty_kitty/n/nd377514012a9

 

https://note.com/betty_kitty/n/nd323e3ea5f35



次回はミックスについて。(続く)