2014下半期(+上半期漏れ)極私的日本語ポップスベスト

今年もやってまいりました極私的楽曲大賞。去年からハードルは低めにしてあまり絞らない方針にしたので、やたら紹介数が多くなり、その対策として一旦7月に上半期分をアップしたんですが、漏れもあり、それと合わせたら結局かなりの数になってしまいました。

個人的な好みの傾向として、ディスコとかダンス系が好きなのは変わってないんですが、それ以外の系統でもメロディが良いものは積極的に聴くようになったのも紹介数が増えた一因かしら。

なお、例によってハロプロは別枠で考えてるのでここには載せず、後日別記事で(と毎年書いてるがその後まとめたことは一度もない)。あとジャニーズとかも、もうきりがないので入れてないです。

では参りましょう。

amazonで扱いがあるものは画像とタイトルにリンク貼ってあります。

【アイドル単曲部門】


清竜人25 / Will♡You♡Marry♡Me?

これをアイドルにカテゴライズしていいのか非常に迷う。清の存在感が際立っており女の子はお飾りのバックダンサーにしか見えないから。今後その見方が変わっていくのか、それとも一時的な企画モノとして1年ほどで清のソロに戻るのか。演劇的な虚構の上でのみ許された清のセクシャリティが彼のアイドルに対する(無自覚な?)批評性につながっており、この異様な存在感はノンケの自分でさえ意味もなくドキドキさせられる。楽曲はダンス☆マンによるファンキーなアレンジが最高すぎるので、飽きっぽい竜人でもこの方向性だけは保ってほしいなあ。



ひろしまMAPLE★S / Boom! Boom! Miracle Emotion

勢いのあるEDM。間奏部分カッコイイ。



妄想キャリブレーション / 甘酸っぱい、甘じょっぱい

ディアステ発の王道アイドル曲。元気が出る良メロ。



WHY@DOLL / Magic Motion No.5

安定のagehaspringsワークス。ドラマティックに盛り上げるJ-POP定石の構成はとらず、パートが変わっても淡々とグルーヴを維持している。様式美も悪くないが、こういうタイプの楽曲も増えていくといいな。



J☆Dee'Z / Disco Winner

Beasty Girlsのカップリングでミッドテンポのディスコ!いわずもがな大好物。



プラニメ / Plastic 2 Mercy

BiSではバリバリのロックを提供してた松隈ケンタ氏によるEDM快作!めっちゃアガる!



夢見るアドレセンス / マワルセカイ

凡百のアイドルソングからは一線を画したセンスあるメロディ。と思ったらまたagehaspringsが絡んでるのか!俺はこの集団のプロダクションに滅法弱いな。「証明ティンエイジャー」も同じ方向性でおすすめ。



サッポロ Snow♥Loveits / PAPAPAパステルカラー
この曲かなり好き。始業ベルの音階に若干不穏なコード進行をつけたAメロから転調して一気にポップなサビへ。いろいろ技巧を凝らしたかったのかな?という作曲家の気持ちが透けて見えるけど、なんだかんだ全体としてまとまってるし、サビが気持ちいいので余計な詮索はやめよう。



SENDAI TWINCLE☆MOON / KISS スキ KISS
一聴してChu-Zっぽさを感じたのですが、案の定作曲はChu-Zに多く曲を書いてる小田桐ゆうき氏でした。ポップで切なくて大好き。ちなみに音源はPAPAPAパステルカラーと同じ「iDOL Street ストリート生コレクション 2013 e-Street」に収録されていますが販売は会場限定っぽいので入手はなかなか難しいかも。



アイドルネッサンス / 17才

Base Ball Bearのカバー。まずこの曲をチョイスするセンスが素晴らしい。彼女らの瑞々しさと曲の持つ爽やかな青春のにおいが見事にマッチしてる。



おはガールふわわ / クロスマイハート

今年は筑田浩志先生大躍進と言っていいんじゃないでしょうか。GALLETTeが当たったのは大きいですね。この曲では松井寛直系のファンクネスを完全に昇華して新しい段階に足を踏み入れている感じさえあります。



GALLETTe / She is wannabe!

で、そのGALLETTe、上半期でも紹介したけど下半期もきっちりヤバいの出してきた!



K-NEXT / 恋のシークエンスダン
これも筑田さん。CQC's思い出す。間違いない。でも音源買えない。ほしい。とりあえずYouTubeで我慢しましょう。



Chelip / 恋愛至上主義

ベースが効いてやたらファンキー。そしてポリリズミックで立体的な素晴らしいアレンジ。途中でジャズっぽく変化するのも最高。これメロディよりトラックを先に作ったんじゃないかな。CDは通販だけじゃなくショップで全国流通しようよー、もったいない。



つりビット / おどろよフィッシュ

2014年そうきたか大賞。夏のヘビロテナンバーワンでした。



つりビット / 旅立ちキラリ。

つりビットをもうひとつ。とにかくこのグループは音に金かけてますね。あと声が気持ちいい。運営が音楽わかってる感じあります。



花澤香菜 / ほほ笑みモード

マニアックなハウス。声優ど真ん中な声質とこのディープなトラックが合っているかと言えば微妙な気もするけど、面白いから別にどうでもいいや。



千菅春香 / モモキュンソード

アニソンですが、本編は全く見てません。時々気まぐれでアニソンのチェックするんですが、そこで引っかかったのがこのディスコってわけで。



スフィア / Jolly Dolly’s Music!!!

声優系ではこちらも良かった。4つ打ちで気持ちいいアルバム曲。


ワンリルキス / DROP!
声優っぽさは薄いけどこれも声優グループ。サウンドは聴きやすい4つ打ちエレクトロだけどサビがやたら癖になる。



SO.ON project / エビバディGO!

やったー!ディスコだ!このシングルの3曲はどれもレベル高いです。



hipS Ship / remember

福岡市南区井尻を拠点とするローカル中のローカルアイドル。Especiaっぽさありますね。アーバンなグルーヴが心地よい。



Little Glee Monster / I want you back

歌がうまい子供にしかカバーを許されないこの曲の封印がついに…Folder以来の逸材ということでしょうか。ぶっちゃけ「放課後ハイファイブ」なんかの歌い方はまだ鼻につくし誰かのモノマネの域を出てないとは思うんだけど、素質は間違いないし今後が楽しみ。あとはディレクション次第ですね。


宮崎梨緒 / candy pop love
アップフロント関西から初のリリース。つんく♂臭は皆無でタイトル通りのイメージのエレクトロポップ。


LinQ / Bye-Bye Baby Love
信頼のSHiNTAワークス。この人はほんとファンキーでいい曲書くよねー。


キャラメル☆リボン / ファーストシークレット
同上。カップリングの「七色の虹の向こうに」はSHiNTAさんじゃないけどこっちも捨てがたい。



GEM / BFF

どういうわけかメロディを覚えられないんだけど、聞いてると気持ちいいしいい曲なのは間違いない。



nanoCUNE / 馬耳豆腐

まずエレクトロなトラックに耳を奪われるけど、本質的には切ない系のメロディとコードアレンジあってこそですね。ファンクとかにアレンジしてみても面白いかも。nanoCUNEらしさはなくなるけど。



クルミクロニクル / CANDY TRIP

一貫してエレクトロで内容の良いリリースが重なることで、この路線のアイドルとしてはすっかり貫禄がついた気がします。本曲の構造はシンプルで繰り返しメイン、これがメロディのポップさと相まって何とも言えない中毒性を引き起こす。


ジュネス☆プリンセス / LIFE IS THE GAME
エレクトロ良作。CDは会場限定のようで…誰か代わりに買ってきてくれ…



Peach Sugar Snow / じゅもん

なんといってもこの声。ジャケットとともに何か変なところをくすぐられるような最高のウィスパーボイス。ジャケのロリ臭は即逮捕レベルなのでうかつに人に見せないほうがいいです。



BRAND NEW STORY / 東京パフォーマンスドール

なんだよ普通にかっこいいじゃねえか。90年代の継承とかは興味ないけどそれでも小室曲のカバーでちゃんとクリアしてるし、思いのほか成功してるね。



Mibuki with tutu&Beat's / セピア色のRecollection

ファンキーでいいですね。しかしこのサビのメロディなんだっけ…そっくりな曲あるんだけど思い出せない。



DIANNA☆SWEET / ICE CREAM MAGIC

エレクトロ系でクール路線。でもフェアリーズほどガチじゃない。


Mスリー / Your Love
フェアリーズといえば、この派生ユニットも安定して高クオリティ。モータウンを彷彿とさせる黒さ!かなり洋楽ぽい。アイドルらしさという意味では微妙なのかもしれないけど。



PLC / キューティパイ

よくあるロック+エレクトロでサウンドは粗いんだけど、サビのメロディは素晴らしい。



河西智美 / それでも…

Type-Bカップリングの「M・U・I・S・H・I・K・I」なんかも結構いいですが、いずれもちょっと古臭い曲調が声質に合ってて心地よいです。



乙女新党 / 僕だけの世界

アルバム曲だけど今までの乙女新党のシングルと比べても一番好きかも。最近のアイドルソングは歌いやすさを考慮して音域は狭く、メロディは単純にしがちなので、この曲のように結構上下する難しめなメロディだと印象に残りやすいですね。ハイスピード胸きゅん系。



あやめと優里花 from 乙女新党 / 凸凹解決せんせーしょん

初めて聞いたときいい意味で「なんじゃこりゃ」感すごかった。でんぱやスタダ系に見られるガチャガチャした感じの速い曲は正直おじさんついていけないんですが、こうやってファンクのエッセンスが入ると一気に好きになっちゃうんだよね。可憐Girl'sの「ぴかっときらっと!Dash girl's」とかさ。



ライムベリー / IDOL ILLMATIC

うわー、もうトラックかっこいい!たまらん。手を叩けーのところの仕掛けなんかも楽しいし、完璧だわこれ。90sヒップホップのLPをアイドルに持たせるジジイの自己満足的MVも◎。



SKE48 / 放課後レース

歌詞の内容と疾走感のあるロッキンかつストリングスの甘さの効いたトラックがよくマッチしてます。王道と言えば王道だけど古臭さはなく、メロディはわりと洗練されているんじゃないでしょうか。



青春!トロピカル丸 / 恋のS.O.S

サビの転調が効果的でメロディがぐっと引き立つ。どうでもいいけど怪傑と青春と純情の区別がつかなくてややこしい。



RYUTist / Wind Chime!〜街のトンネル〜

これといった特徴はないんだけど、なぜか何度も聴きたくなる。爽やかスルメ系良曲。




ガールズ・フォーエバー / The Girl Of Fate

作詞・作曲・編曲が林田健司!!!!それだけで充分伝わる人には伝わるでしょう。良さが!ファンク!



HKT48 / アイドルの王者

はいディスコです。ディスコ。お前はディスコなら何でもいいのかって聞かれたらYESとしか言えませんし。



乃木坂46 / 私、起きる

「何度目の青空か?」のカップリング。トラックは基本的にシンセメインのEDMマナーではあるんだけど、音色が柔らかいので派手さは目立たず、むしろフワフワしたフォーキーともいえる雰囲気に仕上がっている。すーっと入ってくる耳馴染みの良さよ。



S-Qty / Last Spring Snow

岡山のロコドル。どの曲も良くてすごく好きだったんだけど残念ながらこの曲をもって解散。最後にふさわしいしっとりした名曲。



【アイドルアルバム部門】


LinQ / LinQ REMIX Vol.1

SHiNTAさんによるリミックス集。当然全曲しびれるんですが中でも「HA.JI.ME.MA.SHI.TE (SHiNTA PLANET REMIX)」が好きすぎて。すげえファンク。



AeLL. / 4/4 YON BUN NO YON

篠崎愛の人気が先行してただけにどうしてもグループとしてはバランスが悪い印象だったんだけど、曲は平均的にクオリティ高くて好きでした。解散残念です。



ゆるめるモ! / Electric Sukiyaki Girls

ESGオマージュのジャケはもう笑うしかないんだけど、全編ダンサブルでポップ、なおかつサブカル臭もきっちり失わずにいるバランス感は見事。




E-girls / COLORFUL POP

avexはさすが金かけた音を作ってきますね。こういうメジャー感あるサウンド大好きですよ。


【非アイドル部門】


さいとうまりな / はじまるふたり

もともと男性ボーカルはあまり好んで聴かないこともあって、正直、堂島孝平という人をみくびってました。「ヴィーナス・モーニング」も含めてこれはもう素晴らしすぎるプロダクト。そして同録の多田慎也氏の曲も負けず劣らず最高。ていうかこの配信EPもっと話題になるべきじゃない?話題のtofubeatsも曲提供してるんだし。曲の素晴らしさに反して異常なくらい世間の反応が薄いのは売り出し方の問題なのか?



雪乃 / Betty

適度に黒くてファンキーな曲調とオーガニックなサウンドが非常に素晴らしい。作曲は今や飛ぶ鳥を落とす勢いの浅野尚志なんだけど、この人のイメージってしゃちほこや乙女新党やでんぱ組に提供してるようなガチャガチャした速い感じだったので、これには正直驚きました。完全に見くびってた…もしかすると天才の部類に入る人なのかもしれない。



レキシ / ドゥ・ザ・キャッスルfeat.北のパイセン問屋

日本でファンクやる人はどうしてこうおバカな方向に行きたがるのか。P-FUNKの影響強すぎませんか。まあいいんだけど。曲は相変わらずファンクで最高。どっかで聞いたことあるフレーズを取り入れてさらりと構築するのが上手い人ですね。メタ化したディスコファンクとでもいおうか。



Onigawara / Eじゃん!
メタ化といったらこの人たちを紹介しないわけにはいかない。こっちはJ-POPのメタ化。本人たちがどういうつもりかは分からないが、J-POPに対する愛と皮肉の両方を感じとれる。そのへんもこのポップセンスありきだね。



etsuco / ambitious

アーティスト名もうちょっと工夫しろよとか思うけど、曲はポップで少しふわふわしてて4つ打ちエレクトロで薄いR&B臭がちょうどいい。同録の「Missing U」もダンサブルなハウス系でかなり好み。アルバム全体通して佳曲多いです。



YUKI / 誰でもロンリー

アルバム「FLY」も悪くなかったですが、やっぱりこれがずばぬけてますね。ファンキーでポップ。当然agehasprings


くるり / Liberty & Gravity
変態すぎるとかいろいろ言われてるようですが、くるりに対しては思い入れがないので全く抵抗なく受け入れられました。こういうドラスティックな構成もエキゾなメロディも大好きです。これ、音だけ聞くよりMV見たほうが楽しめるね。



Shiggy Jr. / LISTEN TO THE MUSIC

いやー、実に素晴らしいポップセンス。この音楽性ならもっと打ち込み混ぜて分厚い洗練されたトラックにしてもいいと思う。



FLiP / Girl

このバンド知らなかったんだけど、だいぶスタイルチェンジしたみたいね。ダンス系のエッセンス入れてきたのは大正解だと思います。



NIA / Nia

J-POP系メインのこの記事で全編英詞かつジャズの本作を紹介するのもどうかと思いましたが、すごく良かったので気にせずいきます。orange pekohのヴォーカル、ナガシマトモコによるソロプロジェクト。明らかに70sジャズ系メロウソウルを意識したハイクオリティな楽曲群。マリーナ・ショウ、ナンシー・ウィルソン、マージー・ジョセフあたりの名前に反応する人は騙されたと思って聴いてみて。ブラックミュージック基準で考えると声質は仕方ないとして、よくぞここまでサウンドプロダクションを近づけることができたなあと感心します。


以上、いかがでしたか?多分これでもまだ漏れはあるので、その分はまた半年後ということで!上半期分もよろしくどうぞ!