2018年8月に飲んだ日本酒

日に日に日本酒に対する熱が冷めていっている。どれ飲んでも「ああ、このタイプね。はいはい。」みたいな感じで驚きや感動がない。これまであまり飲んでこなかった高価な大吟醸などではたまに「おっ!?」と思うこともまだあるが、うーんそれはそれでどうなんだろ。日本酒好きというのが一つのアイデンティティになっていたから、それがなくなってしまうことに不安を覚えているのかな。
 
酉与右衛門 亀の尾 純米無濾過生原酒★★
行きつけの量り売りできる酒屋が酉与右衛門(よえもん)の取り扱いを開始したので、300mlずつ買って試してみました。まずは亀の尾。一番シャキッとしてわかりやすいかな。俺の好みにも合致。立ち香、イソアミル系がほんのり。ごくごく微細なガスも。しっかりとした酸、ミネラルの骨格、旨みは控えめですっきりしている。ほどほどの厚みと酸の仕事っぷりが素晴らしい。アフターでわずかな苦味。白身やホタテの刺身と相性抜群。
 
酉与右衛門 美山錦 純米無濾過生原酒★★
亀の尾よりやや香り立つ?よりマイルドで柔らかい口当たり。ただこれも酸とミネラルの骨格はしっかりしている。アタックから旨みへのエンベロープがスムーズで旨みの幅はやや広くなる。旨みがある分ホタテはこっちのほうがベターだな。
 
酉与右衛門 吟ぎんが山廃 純米無濾過生原酒★★
立ち香は弱い。ガス。亀の尾に近いが山廃ならではなのか、より酸と旨みが強くてコントラストがはっきりしている。
 
酉与右衛門 雄町 熟成 23BY★★☆
まずは冷酒。やや熟成感のある丸い立ち香。それでもかなり弱いが。甘みはかなりドライ、ですぐに熟成感を伴った含み香とミネラルがやってくる。かなり上品な熟成。旨みの育ち方も抑えめだがしっかり角はとれている。アフターでほんのり紅茶感が続く。これはいい。温度上がると熟成感が増してくるが、それでも6年とは思えない上品さは変わらない。燗も素晴らしい。
 
羽前白梅 純米★★
結構黄色い。アル感ある立ち香。甘みドライ、旨みもすっきりしてる。造りは悪くないんだが個人的に物足りない。二日常温放置、化けました!アタックが柔らかくなりとろみのある液性に。甘みも増して全体の流れがスムーズになった。
 
ふた穂 純米吟醸 生原酒★★
雄町。甘やかでフルーティな立ち香。含み香が生っぽいが嫌味はなくフレッシュ。甘みそこそこあって柔らかい。雄町らしい芳醇さ。
 
七田 純米大吟醸★★
冷酒だと甘みドライ、七田らしさがない。と思ったら常温で実力を発揮。ぐっと甘みが増す。とはいえ大吟醸なのでやっぱり上品。酸もしっかりして厚みがある。二日目以降はより濃醇で力強く。なにが七田らしくないだ。どこからどう切り取っても七田じゃねえか。
 
会津純米酒 つるし★★
結構カプロンくる。アタック強め、甘みドライ。旨みの広がりはいい意味で田舎っぽいが、これこそ会津娘らしさ。軽い苦味と長い余韻。香りはあるが、やはり食中酒。
 
浅芽生 無濾過生原酒 みずかがみ★★
カプロン系で生感ある立ち香。軽いガス。甘みそこそこ酸しっかりでジューシー。ミネラル感と軽い苦味。旨みの出方がヘタすると田舎くさくなりそうだが、ギリギリそうはさせないバランスで保ってる。
 
十旭日 純米吟醸 夏仕立て★★
佐香錦55%精米。立ち香軽い。思いの他スリム。甘み軽い、酸細くてキレイ。これだけ軽いのに薄っぺらい夏酒にはもっていかない造り方はさすが十旭日。
 
澤屋まつもと 試験醸造 SHUHARI OMACHI×YAMADANISHIKI★★
ほんのり心地よいフルーティー立ち香。甘みはドライでミネラルの骨格。外さない松本らしさ。ちょい温度上がったほうが味出ていいかも。
 
夏のブーリュ★★
田光が有名な蔵の夏限定酒。変態系。昨年飲んで非常に良かったのでチョイスしたが、店主曰く、この酒は実験的要素が多分にあって毎年味が大きく変わるとのこと。なるほど、確かに違う。乳酸の立ち香。軽い甘みから乳酸の旨みへ。ベースはクリアだけどヨーグルト的味わい。なんだか表現しがたい。不思議、面白い。ホエイから酸抜いた感じ。
 
鳳凰美田 髭判 無濾過本生 純米大吟醸★★☆
亀粋。芳醇かつ上品な甘みからフルーティな酸。蜜のようなコクを持ちながらキレはいい。甘くてフルーティで女子受けする酒の代表みたいなもんだが、全体の流れがスムーズで雑味がなく素晴らしい。このへんをガキ臭い酒と揶揄する人もいるが、素直に美味いと思いますよ、私は。
 
陸奥八仙 赤ラベル 特別純米火入れ★★
これ久しぶりに飲んだな。いまや定番化してる感もあるね。華やか立ち香。甘み強めだが嫌味ない。酸もそこそこ。飲みやすい。もっと安っぽい印象だったが意外と悪くない。
 
田中六五★★
毎年飲んでますが今年の出来はどうかな。わずかなカプロンとアルコール感の立ち香。甘みは弱く、スムーズで上品な旨みに繋がる。旨み自体ややエキス感もあるが、まあ許容範囲。酸の通奏低音といい、実によくできたお酒。地味なんだけどね。すいすい進んでしまう恐ろしさ。今まで燗したことなかったけど、やってみたら酸が前に出てすっきり感が増す。厚みが増す感じはないんだけど思ったより全然いいな。
 
而今 純米大吟醸 NABARI 2017★★☆
一年に一回の限定酒らしく、かなりお高い酒。香りプンプン系かと思いきや、案外柔らかな立ち香でカプロンのほか意外にイソアミルも強く感じる。甘みはほどほどで酸しっかり。40%磨きにしては旨みもそれなりにあるが酸と一体になっているので野暮ったさはない。アフターでやや苦味を感じるが、全体的には雑味が少なくさすがにレベルの高さを感じた。
 
あぶくま 純米吟醸★★
夢の香。立ち香はない。甘み優しく、アタック柔らか。酸は弱めで、旨み厚すぎない。ともすると平板になりそうだが、不思議とメリハリもあるバランスの良い食中酒。
 
兵庫夢錦。甘みはそれほどでもないが、やけにフルーティーな含み香。鼻から抜けるアルコール感。アタック強めで塩気のような味を感じる。やたら個性強い。苦味もそれなり。アル添吟醸も南国系で面白かったが、まあ癖のある蔵だな。
 
ソガペール・エ・フィス サケ・エロティック  キャトル★★
4号酵母。軽く微発泡。立ち香はカプロン系かな?甘みはほどほど、ミネラル感と旨みしっかりでキレは良い。軽い渋みなど、良い意味で雑味があって、それのおかげで非常に立体的な構造になっている。正直、だいぶ飽きてきている銘柄で、期待値は低かったんだけど、こうして飲むとやっぱりレベル高いわ。甘みは抑え目だが基本的には濃醇なので、牛肉と相性がいい。
 
ちえびじん 純米吟醸 八反錦 生熟★★
1年生熟。カプロン強め。甘み強めだが八反らしいかっちり感、ミネラルもまあまあ。生っぽい旨みの出方で熟成のアドバンテージは特に感じない。思いのほかキレ良い。
 
生道井 特別純米 杜氏厳選BLEND★★☆
「いくじい」と読みます。60%磨きの特純を7割、50%磨きの純大を3割ブレンドした、やや変わり種。まずは熟成香がぐわっと。含むと強めの甘みと熟成感の強い旨み。アミノ酸多めでエキスっぽいがなぜかエレガント。それほど濃厚ではないが、酸が分厚いので太さはある。香りはないがフルーティー。面白いバランス。温度上がるとまろやかに。
 
小左衛門 Dessin 米の芯★★
1年熟成。立ち香ない。甘み軽い旨みもそれなりだがしっかりしてる。酸の下支えがある。含みで若干ではあるが確かに熟成感は感じる。軽いけど厚いみたいな、妙な面白さはある。まあ、ちょっとちぐはぐというか、まとまりに欠けるともいえる。これは燗すべきだったか。