2018年5月に飲んだ日本酒

日本酒って大半が70点くらいで、いわば「そこそこうまい」程度なんだよね。正直、どれ飲んでも大体どんぐりの背比べ状態で、タイプや好みの差は別としてそれほどのレベル差はない。で、ここのところ求めてるのは90点以上の酒なわけで、そうなると必然的に手当たり次第じゃ確率が低いので、前評判が良かったり、以前飲んで良かった銘柄の別スペックとかに絞り込まれていく。なんか本当にレコード掘りと似てるわ。

 

木戸泉 DEEPGREEN 2015★★
2015BY、山田錦無濾過原酒特別純米高温山廃仕込み。少し酸のある熟した香り。甘み自体は柔らかいが酸が主張するのでパンチを感じる。含み香で熟成を感じ、乳酸の旨みからほんのり苦味でフィニッシュ。しっかりした酒ですね。50度の燗、酸が強調され過ぎるか。まあ肉料理には合いそう。ぬる燗か人肌燗くらいがまろやかでベスト。後半の酒っぽいアルコールと雑味の混じった感じは好みが別れるところか。三日目以降、酸が若干悪目立ちしていたが、均整がとれてきた。
 
来福 笑鴨 純米酒★★
アイガモ農法限定生産米使用だそうで。立ち香弱い。甘みは強めで旨みスムーズ。濃醇。やや苦味も。ムッチリした液性。乳酸。燗冷ましは雑味がなくなり素晴らしい。燗向けだが案外温度帯は選ばない。
 
三千櫻 純米きたしずく★★
55%精米。それほど強くはないイソアミル+カプロンの立ち香。甘み上品で強め、酸弱いが雑味はない。この銘柄はどれを飲んでも「らしさ」があって素晴らしい。甘み強めかつフローラルで雑味のない酒といえば、やはり三千櫻が筆頭だな。
 
琵琶のささなみ 純米大吟醸 生★★
イソアミルの香り強め。甘みそこそこ、きれいな味わい。飲みやすい。いかにも香り系だがたまにはいいね。
 
笑酒 特別純米★★
えぐし、と読む。難読すぎる。やや乳酸系の立ち香。甘みそこそこほんわかした感じ。ふわっとした余韻。悪くない。
 
笑亀 直汲み無濾過生原酒★★
なんと20度のアル添。麹っぽい立ち香。甘み強め。濃い。旨みはどしっとしてるがキレは良い。アル添感はあまりないが苦味ややあり。
 
車坂 山廃純米生原酒 27by★★
熟成感ある立ち香。甘みそこそこ、バランス良い。人肌燗、まったり、いい感じ。生だが温度低ければ燗も全然OK。
 
SAKAEMASU 純米吟醸 2016 SEVENTH VINTAGE★★
2016年醸造の2017年出荷、そこから1年常温保存。都合2年の熟成。立ち香からはややアルコールと極小の熟成感。含むと濃醇な甘みが酸を伴ってやってくる。凝縮感のある旨みにやや複雑さを孕んだアフター。全体にアルコールの強さを感じさせる。度数的には16度と普通なんだが。45度の燗、うーん、まあ悪くないがとりわけ燗上がりするってこともないな。酒器は口が広い平杯などのほうが口当たりが柔らかく、気になるアル感なども緩和される。
 
澤屋まつもと 守破離 notitle 28BY★★
去年飲んで感銘を受けたので少々お高いが、そこは目をつぶってあえて一年熟成を。立ち香は極軽く心地よいカプロン。ガス、甘みは弱く酸がビビッド。旨みは控えめで上品。キレも一瞬。この一連の流れは間違いなくnotitleの特徴。ただ、欲を言えばもう少し甘味があっても良かったか。美味いのは美味いし、洗練されてるのは間違いないんだけど、何か物足りないんだよな。とりあえず熟成のアドバンテージはほとんど感じられない。二日目以降、酸が出てきて少し全体的に太くなったか。これはこれで悪くない。ただ、やっぱり昨年飲んだときほどの感動はない。残念。
 
黒松仙醸 うすにごり 純米吟醸生原酒★★
ふわっとイソアミル。ガスがっつりなのにアタック柔らか。含みフルーティーながら旨みたっぷり、余韻長め。バランス良い。これはうまい。いい酒。
 
御前酒 菩提酛 無濾過生 直汲み★★
奈良以外で菩提酛と言えば、まずこの蔵が代表的な存在なんだけど、菩提酛と一言で言っても結構いろいろなタイプをリリースしてるんだよね。で、これはどうか。まず香りはそこそこ、菩提もとながら味わいに癖はない。酸が爽やかでいい感じ。旨いです。
 
坤滴 純米生原酒 しぼりたて★★☆
大手の黄桜酒造の子会社というかお抱えの蔵らしく、黄桜の偉い人が趣味性丸出しで好きなように作った特定名称酒がこの坤滴だとかいう話を酒屋から聞きましたが真偽のほどは定かではないです。ややフルーティーな立ち香。甘みそこそこで乳酸の旨み。柔らかい。キレ良い。丸い味わい。搾りたてとはいえ、飲んだのは5月なのでほとんど意味のないスペックだな。しかしこれはすげえ好きなタイプ。別のスペックも気になります。
 
姿 純米吟醸 無濾過生原酒★★
姿は割と香り系で今どきのわかりやすい酒のイメージがあったが、この通年タイプは初めて。香りは乳。甘み強め。コクアリ。キレ良い。コクの感じ好みだわ。これいいわ、好き。この蔵のポテンシャルがここに表現されてる感じがする。
 
望 生酛純米酒★★☆
秋田酒こまち。ややアルコールっぽい立ち香。アタックは普通だがほどほどの甘さを感じた後柔らかい印象に変わり、それが長めに続く。そこから生酛らしいやや強めの酸。この酸にほんのり乳酸のニュアンスも隠れているのでちょうどいいコク。後口でほどよい苦みが。これは良い酒。二日目、蜜のようなコクが発現。燗も40度くらいなら問題なし。甘酸っぱさが強調されて面白い。いやー、これ好き。
 
若鶴 玄 純米カップ★★
よくあるカップ酒の香り、おっさん臭い感じもあるが、好み的には嫌いではない。含むと、お、美味いじゃん。まろやかなアタックからほどほどの甘み。酸は弱目ながら旨みのアミノ酸が控えめで案外捌けがいい。それでいてちゃんとコクがあるところが素晴らしい。誤解しないでほしいんだけど、ワンカップ大関の雰囲気に近い。(ワンカップ大関は決して悪い酒ではありません)。辛口とうたっているだけあってキレも悪くない。ふーん、やるじゃん。これは他のスペックも飲んでみようかな。
 
雨過天晴 純米大吟醸★★
天青の最高峰ということで一度は飲んでみたかったお高い酒。カプロン強めだが嫌な感じ皆無。アタック強め酸もしっかり。エキスあり。ややアルコール感じ激しくキレ。全体的にパンチある。まあ、値段考えたらこのレベルでのリピートはないな。
 
十旭日 純米吟醸おりがらみ生 十年記念生酛★★
改良雄町。軽く心地良いカプロン。ほんのりガス、甘みは軽いが柔らかい印象。終始ミネラル感じる。面白いバランス。酸まずまずで最後苦味。
 
みむろ杉 Dio Abita★★☆
立ち香は弱いが上品。低アルで軽いが物足りない感じはない。甘みそこそこで酸は弱いがジューシーでふわっと旨みが。飲みやすい。おしゃれ。これはうまい。
 
星泉うすにごり純米吟醸無濾過生原酒★★
6号。立ち香弱い。甘み強め柔らか。濃醇。ややエキス。厚みある旨み。ゆっくりはける。
 
無風 純米酒 別拵★★
ひだほまれ。甘やかでやや乳酸を感じる立ち香。アタックはまろやかで甘み自体はほどほど。若干の苦味を感じさせながら乳酸的旨みに。終始雑味とアルコール感が気にはなるが、このマイルドさは好み。燗にすると乖離していたアルコール感が和らいで調和する。二日目以降さらにその傾向が。これは燗向け。
 
長陽福娘 山廃仕込無濾過生 26BY★★
店の冷蔵庫で1年半、そこから自宅の押し入れで常温放置1年半。恐怖の生熟実験。瓶底に澱がたまってて不安しかない。注ぐと老ねすれすれのクセのある立ち香。うおお、なんじゃこれ。結論から言うと超変わり種ながら全然飲めます。クセは確かにある。甘みはほどほどで、すぐに生熟の不思議な風味が。山廃らしい酸は感じるんだが、旨みのバランスが良く、熟成の香味もあって他にはない味に。クセが強いのでこれを不味いという人も多いと思うが、これもまた日本酒の深淵。ぬる燗にすると一気にクセが消えてスムーズなエンベロープに。これは驚きの変化。明らかにぬる燗がもっとも映える。50度だと少し辛みが出てバランス崩れる。これは面白いわ。
 
ほんのり軽い立ち香。含むと熟成感ある強めの甘み。酸もそこそこでジューシー。49%磨きにしては随分しっかりした印象。大吟醸は物足りなかったが、これは濃醇でいいな。
 
大盃 純米吟醸60★★
カプロンそこそこ、甘み軽い旨みまあまあキレ良い。うまい。
 
文佳人 純米吟醸 夏純吟★★
カプロンそこそこ、甘み軽いがしっかり系。旨みもそこそこあるがキレはすごい。出来のいい爽酒。
 
酉与右衛門 夏ぎんが 純米吟醸 無濾過生原酒★★
吟ぎんが使用。まずまずのカプロンとガス。よえもんにしては軽い。ミネラルあって輪郭がかっちりしてる。旨みは軽い。最後に軽い苦味。
 
大和のどぶ 純米にごり生原酒★★☆
生酛のどぶの速醸バージョン。軽いガスからドライな甘み。ちゃんと米の旨みがあるが無駄に広がらずスッキリ飲ませる。生のもたつく感じは全くない。骨格もしっかりしていて中道ながらバランスの良さは特筆モノ。これはうまいです。
 
 
妙の華 純米 生酛山田錦無濾過火入れ27BY★★
90%磨きで3年熟成。熟成酒らしい柔らかいアタック、甘みはドライで旨みが非常に強い。雑味もそれなりにあるが、まあ90%だし仕方ないか。少しだけ加水して燗すると軽くなってちょうどいい。
 
純米大吟醸 雄町 無濾過生原酒★★
ほどほどに豊潤でフルーティーな立ち香。甘みは強めでやや生っぽいもやっとした含み香がある。旨み自体はエキス感もなくふくらみがある。ここまではいかにも雄町といった風情。ただ、ファットながらキレがいいので嫌味がなく、次の杯が進んでしまう。出来の良さある。
 
大虎 大辛口純米生原酒★★
やや熟成感のある立ち香。ほどほどの甘みにジューシーな酸。旨みも強すぎずグレープ感がある。大辛口というだけあってキレは素晴らしく、非常に抜けがいい。生の嫌な感じは皆無。アタックが強くて終盤につれて細くなっていくが、頼りない感じではない。辛口に多いタイプだけどね。
 
東力士 純米吟醸生原酒 無濾過おりがらみ 山田錦酵母★★☆
M310と小川酵母のW酵母で醸したとのこと。東力士ってどうも田舎くさいイメージしか無かったんだけど、これは良い意味で裏切られた。トロピカル系のかなりフルーティーな立ち香。甘く、とろりとした口当たり、ほどほどの酸。旨みも程よくモダンで、最後はすっとキレる。良い時の三芳菊に通じるものがある。トロピカル系は基本クドいので好んで飲まないが、これは素晴らしい。好みの問題はあるが、非常にインパクトを残したので☆追加。
 
五橋 山廃純米生原 夏酒★★
白麹。爽やかな立ち香。わかりやすい甘酸。甘みそこそこでジューシーな酸。マジでジュースだわこれ。キレもいい。ゴクゴクいけちゃう系。ただ、どこか感覚的な軽さというか安っぽさを感じてしまうのはなぜだろう。
 
飛良泉 生酛 純米酒 生★★
イソアミル?ほどほどの立ち香。そこそこの甘みに軽めの旨み。やや苦味を伴いつつもきれいにはける。驚きはないが普通においしい。モダン生酛というほどモダン感はないが、クラシック生酛特有のごわつきは全くない。