2017年8月に飲んだ日本酒

最近ちゃんと火入れ・加水した安い純米酒がピタっとくる。派手な無濾過生原酒はもういいや。どんどんおっさん化が進んでるな。

 

一博 うすにごり★★

先月、同銘柄の純米吟醸を開けてて、苦手な草っぽさがあってどうにもイマイチだったんだが、こっちは香りも味わいも全く違う。そこそこ甘みがあるし、草感もない。なんだこれ、こんなに変わるか。

 

流霞 純米生原酒★★

和歌山の蔵。全く知らなかった銘柄。乳酸っぽい立ち香。甘みは強めで濃醇。バランス良い。アフターが長い。好き。

 

泗水郷 佐倉 特別純米酒 山廃 無濾過生原酒★★☆

これまた全く知らなかった銘柄。 甘みは強めで濃醇。ほどよい苦み。山廃らしさは特に感じず。大変好み。

 

あべ 純米吟醸★★

五百万石55%、9号、うすにごり。フルーティな立ち香。ほんのり乳酸のニュアンスもある甘みがどわっと押し寄せる。酸がしっかりあるのでジューシーで、なおかつ軽い。リリースでややアルコールを感じるが特に気にはならない。

 

白岳仙 純米吟醸備前雄町 しずく取り 25BY★★☆

わずかな熟香。人懐っこい甘みから、それなりに熟れたチョコ感と旨みが。キレがいいと思わせておいて弱い余韻が長めに続く。非常に好きなタイプ。

 

国権 秋あがり 28BY★★☆

この時期のひやおろしはより寝かせが効いていいね。昨年秋リリースのものなので都合1年くらいか。上品で儚げなんだけどそれなりに強度はある甘み、舌の奥で軽い熟味を伴ったコクと酸を感じたまま苦味に変化する。俺、このくらいの軽い熟成された酒が一番好きかも。常温になると急に雑な感じになるので冷酒のほうがいい。常温を超えて40度くらいまで上げれば、これはこれでいい感じになる。ただそこまで燗上りするわけではない。

 

七田 山廃旨口純米★★☆

乳酸を感じる立ち香。旨口に典型的な濃い甘みとコクがググッとせまる。酸も骨格の核としてしっかりある。数年熟成させてるらしいが、チョコっぽさは皆無。まとまりは非常にある。非常に好きなタイプ。燗つけてもあまり印象変わらず。

 

山城屋 秋上がり28BY★★

これも去年のひやおろし山田錦50%。まず常温。フルーティな立ち香。リンゴ系。まろやかな口当たりとともにバランスのいい甘み。旨みは強すぎずきれいなエンベロープを描くが、その後急に鼻に抜けるややノイジーなアル感がきて極弱い苦みのあるフィニッシュに向かう。冷酒にすると後半の雑さは消える。燗もそれほど印象は変わらないがまとまりがでる。結論。常温は今一つ。三日目、アタックに柔らかさが加わり非常にいい感じ。全体的にもノイジーさが弱まった。

 

遊穂 あか 山おろし純米吟醸★★

夏酒カテゴリなんだがバーベキューやスタミナ食に合わせて夏に負けない濃い酒をという蔵元のどこかおかしい夏酒感が素敵。乳酸系の立ち香。含むと軽い甘みを感じ、すぐ濃醇に変化。この時点ではまだ旨みにたどり着いていない。この動きは面白いかも。そして乳酸感のある旨みに。多少のアル感とともにキレ。燗は生っぽさが強調されて今一つ。冷酒のほうが良かった。

 

遊穂 ゆうほのあお ★★

ちょっと生っぽさが気になる。赤と同じように燗より冷酒のほうが映える。

 

太平洋 純米 ★★

和歌山の銘柄だが全然知らなかった。クラシカルで男らしいラベルがなかなかそそる。冷酒はいまいち。甘みは弱く酸が立っているのでキレもいいんだが何かペラくて立体感に欠ける、いわゆる田舎酒にありがちな風情。しかしぬるめの燗をつけると化けた。調和が取れて深みが増す、決して今どきの日本酒ではないが飽きずにいくらでも飲める。最近こういうほうが好きになってきてるなあ。

 

東鶴 特別純米 雄町 生酛造り 28BY★★

1年熟成。もはや安定の東鶴らしさ。軽くフルーティで乳酸を感じる立ち香、含むと米っぽい甘みとスムーズで濃醇な旨み。酸っぱいわけではないが下支えとしての酸がしっかりあるのでダレない。フィニッシュは若干複雑で雑味があるが、まあ悪くない。ほんの少し、焦げっぽさも探そうと思えば探せる。ぬる燗でまろやかになりアル感が消えて酸が少し立つので飲みやすくなる。

 

福千歳 Pure Rice Wine ★★

ワイン酵母使用でコシヒカリ90%精米、日本酒度-25、酸度5、でも低アル(12度)で原酒という完璧に狂ったスペック。立ち香はごくわずかで乳酸系。含むと思いのほか丸みがあるが甘みは弱い。その後、ゴツめの酸が一気に主張する。若干の熟成感と乳酸も感じるがそのまま旨みを感じる間もなくすっと消える。後口は白ワインそっくり。日本酒なのにわざわざ白ワインに寄せる意味がわからん、という議論は置いといて、これはこれで面白い。ただ、温度が低すぎるとバランスが崩れ、ぼわーんとした旨みが増してブサイクになる。常温放置しても3日は平気だった。

 

野崎酒店 赤ラベル 純米吟醸 美郷錦仕込★★★

新橋の居酒屋、野崎酒店のプライベートブランド。「春霞」の栗林酒造が醸した美郷錦50%磨きの純米吟醸。立ち香は弱く、含むとシャープなアタックで甘みよりもビビッドな酸が主張。旨みはスリムながら薄っぺらさはなく凝縮感と足腰の強さがある。リリースでほのかな苦み。柑橘を思わせるジューシー美味酒。温度が上がると明らかにアタックが柔らかくなる。面白い。★3つにするか2.5にするか迷ったけど、おまけして3にします。

 

十旭日 純米原酒 改良雄町70 25BY★★

まずは常温。立ち香で熟成と強いアルコール度数をはっきりと感じ取れる。まろやかな甘みから強めの酸(酸度2.2)。焦げっぽさはまずまずあるが、嫌味ではなく整った熟成感。アルコール度数が20度近くあるようなのでさすがに嚥下時クワっと喉に焼けつく。引けでそれなりの苦み。全体的に雄町らしい太さと芳醇さがある。45度ほどで燗をつけるが意外に印象変わらず。ただ、燗冷ましでアルコールが若干飛ぶためかアフターは飲みやすくなる。少しだけ割り水するとバランスが整い不思議とまろやかさも増す。これは割り水燗が正解。

 

辨天娘 山廃純米 玉栄 26BY★★

外飲みでは何度か飲んでる辨天娘だが、ちゃんと向き合うのは初めて。これまではいずれも冷酒だったのでこの銘柄のポテンシャルは理解できていないはず。実際、いずれもピンときてなかったし。さて、まずは常温。山廃独特の酸と意外に軽い旨み。ただ、軽いだけではなくエンベロープが長く続く。キレではアル感がきてすっと退ける。完全発酵の鳥取酒らしい味わいではある。45℃、全体的にふくよかさが増す。割と表に出ていた酸が下支えに回る。60℃近くまで上げると今度は辛みと酸が強くなり旨みも抜けてしまう。そういえばこれ、3年熟成じゃないか。熟感全くないな。新酒は硬くて飲めたもんじゃないって何かで読んだけど納得。

 

カネ中 家伝造り 生酛純米 23BY ★★☆

近所の酒店のバックビンテージ。平たく言うと売れ残り。いつもながら濃醇で最高。濃い目の食べ物と合わせるとさらに映える。熟成によるチョコっぽさはほとんどない。カネ中は熟成させたほうが絶対美味い。

 

乾坤一 特別純米辛口 ★★

この蔵の顔ともいえるササニシキ使用の定番酒。かなりメジャーだが実はこのスペックは今回初飲み。香りは弱く、含んだ際の甘みも控えめ。酸が効いてるのですっきりしてる。確かに辛いのでスッキリ辛い食中酒を求める向きには最適だろう。旨みが出すぎてないところが飽きの来ない一因になっている。燗も悪くない。50度くらいまで上げると酸が立ちすぎるが、燗冷ましで35℃くらいになるとまとまる。イメージ通り、地味な晩酌用の酒であることは間違いないが、最近そういう酒が好きになってきてるので、ちょうどよかった。
 
天穏 純米吟醸 改良雄町 21BY ★★
香りは弱い。甘み控えめだが含み香はほんのりフルーティ。旨みは軽い。後口で苦みと極小の熟成味を探せる。そこそこ端正で8年近く寝てたとは思えない。まとまりがあっていい酒。常温のほうが美味いかも。
 
山形正宗 実験醸造 2016★★
白麹を使った1年生熟。バニラリーな立ち香。含むと老ねなのかちょっと不思議なクセがあるが不快ではない。なんとなく蔵粋を思い出した。甘酸系で旨みも乗っていて、ちょっとだけある癖が面白い酒。
 
澤屋まつもと 守破離 no title 生 ★★
山田錦。香りはそこそこフルーティ。甘みも旨みも軽くて上品ながら生らしいパンチも感じる。酸も効いている。とにかくバランス良くてウェルメイド。ただ、以前に飲んだ火入れのほうがインパクト強かったな。これはこれで美味いんだけど、鮮烈というほどではない。恐らく、前回は口開けから間もなかったため、ガスがあってフレッシュ感が強かったのと、火入れだったので生のもったり感がなくスッキリしていたのが影響しているか。
 
天明 焔 2017 ★★
山廃で山田錦26%五百万石73%。常温。立ち香は若干の草。そこそこの甘み。中盤で程よい熟成感と旨み。酸の下支えもありジューシー。濃醇。最後のアル感が少し邪魔。