2017年7月に飲んだ日本酒

今年はやけにいい夏酒に当たる。夏酒バカにしてたけど考えを改めねば。

 

天の戸 まる燗 生酛★★
ほんのり乳酸系の立ち香。そこそこの甘みとバランスのとれた酸。燗向けと銘打っているだけあって旨みもちょうどいい。悪く言えば中庸だが基礎レベルが高いのでそれで済ますのはちょっと違う。熱燗だと酸が前に出てきてふくよかさが失われる。冷やも悪くないが35度くらいの人肌燗が丸みと酸が調和してちょうどいい。

 

日輪田 山廃純米酒 ひまわり★★☆
五百万石。軽いカプロンの後、濃厚な甘みと程よい酸。旨みはスムーズに過ぎてフィニッシュで軽い苦み。完全に甘口なんだけど最後の苦みがオレンジピールのようで面白い。とても好み。

 

山和 特別純米 中取り原酒 ROCK★★
軽い甘み、強めの酸(酸度1.8)、程よい辛み。旨みは強すぎずバランス良い。雑味なく骨格がしっかりしてる。酒だけでも充分楽しめるが、辛みと酸のおかげで食事に非常に合わせやすい。

 

千峰 天青 純米吟醸★★
基本的に爽酒は苦手なので避けてきたが、今飲むとこれはいいなあ。以前に澤の花ひまりを飲んだ時のような好感触。濃くはないが物足りなさもない。すっきりしていながら適度な広がりもある。洗練、というのとは少し違うが、この透明感と厚みのバランスは非常に良い。しかし、日本酒飲み始めのころは濃醇一辺倒だったため全く引っかからなかった銘柄だが、ここにきてこの手の酒の良さも分かるようになってきた。結局バランスなのかな。今度は燗つけたい。

 

風の森 愛山 純米笊籬採り ★★
愛山のイカッキーは珍しい。風の森らしい発泡感、無濾過生のジューシーさが存分に味わえる。ラストの旨みの余韻が長すぎて若干うるさいか。

 

能登の白菊 そのまんま ★★
穏やかだがシャープな立ち香。口当たり柔らかく優しい甘み。そのまま芳醇な旨みが広がる。含み香でやや草っぽいムレ香を感じる。また、最後まで上品さを突き通してほしかったのだが、キレでやや雑に感じるところもあるのが残念。燗は生ムレ香が増幅されるので今一つ。冷酒~常温がベスト。

 

ど辛★★
これまでも数回飲んでおり今さらベタなチョイスだが、やけに今回はうまく感じた。これも天青と同じことか。含むとややフルーティさを感じ、ソリッドな旨みとともにバシっとキレる。辛みはほとんど感じない。しかし最初の含みがこんなにモダンな感じだったっけ?

 

日置桜 強力26BY★★
トラディショナル&スタンダードながら、家飲みでちゃんと向き合うのは初めて。日本酒度+14、酸度1.9。数値はなかなかのエクストリーム。まず常温。完全発酵らしい癖のある強い旨み。程よい酸も伴っている。苦味とともにキレ。55度の飛び切り燗、含みから旨みへの移行がスムーズになる。全体の印象は大きく変わらないが調和が増すので間違いなく燗に軍配。さらに温度を上げてみる。70度くらいまで上げても全く崩れないのはさすが。これは温度高いほうがいいかも。燗冷ましでより柔らかくまろやかに。いろいろ試した結果、70度→40~35度の燗冷ましがベスト。なお、26BYだが熟味は全く感じない。

 

早春 夏のブーリュ★★☆
うすにごり。薄っぺらい夏酒が多い中、これは非常によくできてる。マスカットっぽい風味。甘みは控えめでさらりとしてる。旨みは上品ですっと退ける。にごりのおかげなのか全体的にスムーズな印象。

 

蜻蛉 純米にごり酒 青とんぼ ★★
若波の蔵ですね。程よい甘みにくっきりした酸。旨みは上品で軽い苦みを伴って切れる。驚きはないがよくできた夏酒。

 

長陽福娘 山田錦 直汲み夏吟醸★★☆
磨きは50%。立ち香は爽やかなラムネ。口開けはさすがの発泡感。含みはドライで旨みはやや強め、スパっとキレ。キリっとした酸と相まって柑橘感がある。アル添のぼやけは一切感じず、むしろこの銘柄らしいソリッド感としっかりした骨格がある。

 

十六代九郎右衛門 十三度台 低アル生原酒★★
香り柔らかで優しい甘み。旨みは厚すぎず、酸が締める。軽くて飲みやすい。これもまた良き夏酒。

 

蒼空 SOOKUU 純米 美山錦生★★
強めのカプロン。甘みはシャープでほんのり乳酸っぽい旨みを感じた後、また甘みが戻ってくる。きっちり酸も足りていて美味し。

 

天の戸 純米カップ 27BY★★☆
1年常温熟成。またしても自家熟成の成功例。まず甘やかでバニラリーな立ち香。優しい甘さの後、すぐ軽い熟味を伴った太めの旨み。若干のアル感。複雑な余韻。後半はもう一歩で惜しいけど、前半のシルキーなまろやかさと広がりは非常に素晴らしい。最近は夏向けのシャープな酒が多かったから、なんかほっとするわ。ちなみにぬる燗にしてみたけど意外にアル感が増幅されて辛くなる。常温がベストかな。

 

千峰 天青 雄町★★
上で飲んだ天青がよかったので米違いにもチャレンジ。50%磨きで基本的に雄町らしくはないが、それでも香りの出し方などで雄町感はある。天青にしてみれば芳醇なほうなので、その意味ではこれが天青流の雄町の使い方なんだろうね。軽い甘みと上品な旨み、爽やかさとともに潔くキレる。好きなタイプ。