2017年6月に飲んだ日本酒

なぜか6月に飲んだ酒は一見燗上がりしそうなのに、案外常温や冷酒の方がうまいってパターンが多かったです。ある程度は酒の傾向から温度変化の予測が立てられるようになってきたかなあと思ってたけど、まだまだですね。結局試してみないとわからないことを再認識した月でした。

 

蓬莱泉 和 27BY★★
ちょうど一年常温で自家熟成させたもの。立ち香からふんわり熟成香。含むと丸くて優しい甘み。ただ、若干厚みが足りない。すぐに思いのほか存在感のある酸が追いつき軽い熟味を伴って手早くキレる。なかなか美味い。熟味自体はごくごく軽いエグみのようなものが内包されているので満点とまではいかないが、放置系熟成でこれなら充分でしょう。燗も悪くないが若干まとまりに欠けるか。燗冷ましのほうが酸がいい働きをして好み。冷酒だと苦味が顔を出す。燗冷ましがベストかな。


満寿泉 純米大吟醸 3BY★★☆
老ねや嫌味がなく25年熟成とはとても思えない。大吟醸だからかな。含みでの甘みは軽く、すぐにエレガントなんだけど力強くもある旨みが広がる。この味幅は逆に大吟醸らしくない。甘み、酸味、旨み、熟味のバランスが素晴らしい。そして最後は旨みの余韻が長めに続く。これは最高。

 

松の司 純米吟醸 27BY★★
安定のクオリティ。やはりこの銘柄は上手いし美味い。1年熟成だが熟味は皆無、逆に寝かせないものがどれだけ硬さや荒さが残っているのか飲んでみたい。(すっぱいわけではなく)輪郭を作る酸がしっかりしているので、くっきりと見通しが良い。甘酸旨のバランスが非常に良くメリハリがある、洗練されたオトナの味わい。今、一番飲みたいタイプの酒。

 

松の司 純米吟醸 28BY★☆
こっちは今年4月製造なのでこれで明らかな比較ができる。立ち香はほとんど感じない。含むと上品で微かな甘み嚥下時に酸と旨みが現れる。どことなくフルーティさも感じさせ、これはこれで悪くない気もするがどこか物足りない。旨いんだけど普通レベルというか。やはりこの子は少し熟成させたほうが実力を発揮できる気がする。現時点で粗さがあるわけではないんだけどね。熟成によって全体がピタっと調和するというか。

 

橘屋 特別純米 雄町 山廃 27BY★★
全然知らない銘柄。調べたら「黄金澤」の蔵なのね。キャラクターとしては松の司にも似たしっかり者。どちらかといえば濃醇でやや力強さがあるか。恐らく燗もいけそう。ちなみに山廃であることに気付いたのは後日ラベルの写真を見返したときだったのだが、逆に言うと典型的なクラシック山廃っぽいクセは目立っていなかったと思われる。ただ、この日は人と一緒だったのであまり細かいインプレッションを覚えていないんだよね…。もったいない。ちょっとこれは追うべき銘柄かもしれない。とりあえず「黄金澤」は近所の酒屋に扱いあるので手を出してみるか。

 

黄金澤 山廃純米 24BY ★★
基本的なキャラクターは橘屋と似ているが、より丸みがありすっきりしているか。これは熟成によるものかもしれない。全体的に落ち着きがありついつい杯を重ねてしまうタイプ。燗も良いが常温でも充分ポテンシャルを発揮できる。

 

松尾 荒瀬原 純米吟醸 27BY★★
1日目、香りはほとんどなく甘み弱い、重たい旨みを持っているが酸が足りないのでどうにも冴えない。田舎臭い黒龍みたいな。燗でも特に改善せず。2日目、化けました。立ち香ですでに乳酸を感じる。含むと案の定酸がぐっと出てきて全く別物のバランスに。俺の好きな山廃/生?の乳酸系に近い味わい。燗もまずまずだが旨みの中にある軽いエグ味が表に出てくるので常温がベター。

 

白鷹 特別純米 伊勢神宮御料酒★★
山田錦70%。大手酒蔵で有名銘柄にもかかわらず都内ではめったにお目にかかれないが、とあるスーパーで発見。500mlで700円という安さ。さあ味はどうか。まずは若干の乳酸を感じる立ち香。含むと割と甘みは強く乳酸系の旨みも濃醇。酸の輪郭がはっきりしてるので非常に好印象。後口が少々雑だが、まあ値段考えたら十分か。ぬる燗~上燗で丸みが増し、後口の雑味も弱くなる。燗冷ましで酸が増してさらに飲みやすく。これは熟成もいけそう。

 

水府自慢 10号 純米大吟醸★☆
日本酒マニアの間では、あの残草蓬莱/昇竜蓬莱の菊池杜氏が蔵を移って一発目の造りということで話題の酒。通常、蔵のやり方に慣れて本来の実力を発揮できるまで2~3年かかると言われるが、1年目は果たしてどんなもんか。ちなみにこれは初年度二造り目の酒になるもよう。
まずは立ち香。結構派手に香り、含むと分かりやすい甘さ。10号酵母といえば香りが強く出て酸は弱いらしいが、全然そんなことはなく、むしろ強めの酸がガツっと主張してくる。大吟醸でこのバランスはちょっと面白い。旨みもしっかりあるが、ここで若干大味になる印象はぬぐえない。とかくケレン味の強い酒だった。

 

刈穂 white label★★☆
ほのかに柑橘系の立ち香。白麹ってこととラベルの印象から勝手にシャープ系の酸っぱい酒を想像してたが、思っていたよりずっともっちりした甘みを持っている。そこに予想通り鮮烈な酸。旨みは控えめで、そのまま霧散するようにキレていく。アフターに残るごく軽い苦みも悪くない。後口にやや水っぽさというか物足りなさを感じるが、甘酸系の酒としては高いレベルにある。初心者にも玄人にもおすすめできる。

 

駒泉 吟醸純米無濾過生原酒★★
どしっとした甘みと太いコクが特徴的。このコクは何と表現すべきか。キャラメル?うーん、ちょっと違うか。アフターで心地よい苦み。酸は弱めだが輪郭は崩れていない。

 

帰山 純米 ★★
甘めで口当たり柔らか。乳酸とほどほどの旨みを感じる。キレもいいし好みです。酔っ払っててあんまり覚えてないけど。

 

麓井 生酛純米吟醸 山長 20BY★☆
燗で。含むと明らかな熟感。ほどよい甘みと酸。そのまま熟感持続しつつ軽めの旨み。温度が下がると少し苦味が出るか。

 

石鎚 純米吟醸 無濾過 中汲み H18BY★☆
山田錦50%。後口にこの酒らしい軽さはあるが、思いのほか甘みも太さもあってまとまりを感じる。良い熟成をしている。