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2017年3月に飲んだ日本酒

3月は当たりが多かったので長いですよ。
ところで最近気がついたんだけど、俺、口当たりが柔らかくて全体的にまろやかなのが特に好きみたい。そう考えると熟成酒に偏りがちだったのも合点がいく。そこさえ抑えてれば純米であれ大吟醸であれ、あんま関係ないみたいです。というわけで、以前は避けがちだった大吟醸も積極的にトライするようになりましたとさ。
※★は1、☆は0.5として評価。★☆以上のみを掲載。
 
 
播州一献 純米大吟醸 北錦★★☆
無濾過生で磨き50%。フレッシュ&フルーティ系の純米大吟醸でおおっと思える酒に出会ったのは久しぶり。 立ち香はフルーティでそこそこあるが料理の邪魔をするほどではない。含むとしなやかな甘みと強めの酸がスムーズに入ってくる。旨みもしっかり。アルコール感や苦みはなくきれいにひけていく。なんというか、どちらかといえば濃醇なんだけどバランスがすごく良くて悪いところが見つからないんだよね。もうちょい低精白だったらこのバランスがさらに濃醇に寄っちゃって崩れそうだな。良くも悪くも人懐っこくてわかりやすい。すごく好きだし、また飲みたいと思わせるには充分うまい酒なんだけど、もうひとつ俺にとって驚きの要素があれば最高の ★★★ だった。
 
津島屋 純米吟醸生★☆
美山錦55%。ややカプ系の香りが強いがうまい。甘みを伴いつつもややキリっとしたアタック、そこから案外しっかりした旨みにつながり若干の辛みできれいにさばける。酸味に加え渋みや苦みも複雑に絡み合う。個人的好みとしてはもっと丸い方がいい(硬くて尖った印象を受けた)が、まあこれはこれだろう。
 
酒屋八兵衛 山廃純米★★
磨き60%、麹:山田錦、掛:五百万石。山廃なので酸が効いててパンチがあるのかなーと思ってたら予想よりずっとまろやかで軽い。丸く柔らかい口当たりから旨みが広がる。苦味は皆無。山廃らしい酸はそれほど強く感じず、地味に全体を下支えしている感じ。ぬる燗で甘みが多少増すが常温から大きくイメージは変わらない。お喋りしながらだったので、細かく覚えてないのがもったいない。もう一回、一人でゆっくり飲みたい。
 
酒屋八兵衛 山廃純米 22BY★★
28BYが美味かったので、同じ酒屋で6年熟成を買ってみた。基本路線は変わらず、マイルド山廃。さすがに6年寝てるのでそれなりの熟味はあるんだけど、焦げっぽさや変なクセは感じない。新酒よりこっちのほうが燗上がりする。
 
刈穂 純米 27BY★★
1年間室温で自家熟成させたもの。まずは常温。香りはほとんど感じないがほんの少し熟香があるか。含むと軽い甘みとほどほどの酸、旨みがやや強めのアルコール感を伴いながら鼻に抜けていく。そして最後に弱目の熟味が顔を出す。リリースでまた辛さとアルコール感が少し。アルコール感が浮いててちょっと気になるけど全体的にはいいバランス。自家熟成は大成功といえる。次、ぬる燗で。含むとまず優しく上品な甘み、常温で感じた酸が引っ込むのでその分甘みが増した。そこからスムーズな曲線を描いて柔らかな旨みに移行。最後、熟味とともにやはり若干のアルコール感が残る。燗も悪くないけど、酸がいい仕事をしている分、常温に軍配かな。
 
弥栄鶴 山廃純米 70 27BY★★★
祝と祭り晴という珍しい米を使用。軽い熟成感のある香りに優しい甘さと、ともすれば菩提酛にも通じる乳酸(ヨーグルト)っぽさが特徴。口当たりもまろやか、どちらかといえば濃いが濃醇というほどではなく飲み疲れしない。とにかくとても好きなタイプ。旨みに関して、アミノ酸系の旨みがまずやってきて、その後から酸が広がりを抑えにかぶせに来るパターンが多いけど、これは旨みと酸が同じタイミングで一つの味わいとして混然となったものがやってくる感じ。熟成しているのは確かにわかるが、いわゆる熟味が分離して存在するのではなく、全体をまろやかにまとめあげるという効果としての熟成感を感じることができる。で、当然ながら燗映えしそうだがどうか。うむ、温度が上がるにつれて甘みや幅が広がる反面、酸が弱くなって少し締まりがなくなる。個人的にこの酒の「酸」に惹かれているわけで、それがなくなるのはあまり好ましくない。というわけで25-30℃くらいがふくよかさと酸のバランスがとれてちょうどいいな。
しかし後日ふとこの酒のことを思い出すと、またすごく飲みたくなる。なんなんだろうこの中毒性は。この中毒性のせいで★が一つ増えました。
 
ソガペールエフィス ヌメロ・トロワ(3号酵母)★★
ソガペールエフィス ヌメロ・ドゥー(2号酵母)★★
日本酒に目覚めてから毎年飲んでるけど相変わらずバランス良くてうまいよね。今年は昨年よりややドライで硬いかな。ほどよい甘みからジューシーな酸が転がり込んで、心地よい含み香を伴いながらこれまたほどよい旨みを感じてバシっとキレる。若干ミネラリーと感じるほどにしっかりした骨格がある。酔っぱらってたこともあり2号と3号の差ははっきりと感じられなかったが、香りは3号の方が若干ハーブ、2号がフルーティかな。燗はダメ。今回はすぐ飲んじゃったけど、この酒、寝かすとグっと甘みと旨みが太くなるんだよね。余ってる5号と1号は少し開栓してから置くことにしよう。ちなみに6号は俺が飲む前に家族にすべて飲まれました(泣)
  
開運 純米 無濾過生原酒★★☆
山田錦55%。静岡酵母らしい優しいメロン香。口当たりは非常に柔らかく滑らか。微かなガス感もあり。軽快な甘みと旨み。ジューシーな酸味がフレッシュさを演出。最高に芳醇でうまい。最後はごくわずかな苦味を伴ってスっと捌ける。なんという立体的で躍動感のある酒か。ただ、開栓から数時間後、常温近くで飲んだら今一つフレッシュ感が失われて平板な印象に。これが時間的変化によるものなのか温度的変化によるものなのか、車中だったので確かめようがなかったんだけど、恐らく温度かな?いずれにしろ開栓してすぐは間違いなく ★★★だったんだけど、この味の崩れで★が半分減りました。それでもやっぱり開運は静岡酒の最高峰だな。大好きです。
 
十六代九郎衛門 純米吟醸 播州愛山 生 ver.春★★
55%。 口当たりはエアリーで優しくクリーミー。最初静かに入ってくるが、口に含んだ瞬間に軽やかなバニラ?バナナ?香が鼻腔を抜けていき、この時点で明らかによくある芳醇タイプとは違うことがわかる。とにかくこの最初のアタックがこの酒の最大の特徴か。その後すぐにバランスのいい旨みと酸がやってきて口中がにぎやかになる。若干アルコール感もあり、最後はほんのりと苦みを伴ってきれいに捌ける。ただ、量を飲んでいると中盤以降が少しうるさく感じてくるかも。
 
明鏡止水 酒門の会推奨限定品★☆
ピンクのラベルの印象通り、かなり派手に香って、いわゆるケレン味が強いタイプ。米、水、酵母をオール長野産で揃えたんだって。ふーん。しかし、こういう春酒チックなのはシャープでフレッシュ感も強そうなもんだが、味の輪郭は意外にそうでもなく若干もったりしてる。これは口開けからの時間の問題か。ただ、基本的に濃醇で甘酸っぱいので非常に飲みやすくはある。
 
栄光富士 無濾過生原酒 THE PLATINUM★★
雪女神という聞きなれない米を33%まで磨いたお酒。香りはほのかにフローラルで甘やか。含むと透明感のある上品な甘旨味が入ってきてふわっと広がる。このあたりから酸が顔を出してきてきれいに捌けていく。常温でいただいたこともあり、思いのほか濃さを感じたが、冷やしたらもっと上品なんだろうな。いかにも栄光富士「らしい」味わいです。
 
會津宮泉 純米★★
寫樂の宮泉銘醸が地元向けに作っている銘柄。米は不明で60%磨き。半年熟成してからの出荷らしいんだけど、これはよかった。香りは結構乳酸系で含むと案外甘みは弱い。その甘みが膨張してふくよかな旨みへスムーズにつながり、最後に熟味がふわっと来て軽いコクに変わる。味わいの輪郭が適度な酸によってかたどられている。いいねえ。大変好みです。
 
菊姫 大吟醸 荒走9BY★★
でました17年熟成。菊姫大吟醸自体はじめて飲むんだけどこれはヤバい。とても17年とは思えない美しい熟成。香りはそこそこの熟成香。含むと大吟醸らしくどこまでも上品で最後のキレまで素直なエンベロープを描く。通常野暮ったくなりがちな熟味さえもエレガントさの一端を担っている。アル添であることもこのエレガントさに一役買っている気がする。完璧な古酒。恐らく農口杜氏時代最後の年の菊姫なんだけど、これはマジで貴重すぎる。
 
日下無双 生酛純米60 西都の雫 25BY★☆
協会八号酵母。3年熟成らしいコクと旨み。普通に燗上がりするが冷やでも美味しい。含むと甘すぎず、バランスのいい旨みがやってきて、そこから太めのエンベロープを最後まで保つ。
 
一念不動 特別純米 熟成原酒★☆
夢山水60%。蓬莱泉の関谷醸造がこんな銘柄も出してるのね。熟成感はそれほどでもないが、全体的にまとまりがあって丸い。なるほど、これは確かに蓬莱泉の蔵の味だわ。