電子レンジ燗
ずいぶん前ですが、とある純米酒をなんとなくレンジ燗してみたんですよ。温度はぬる燗くらいまで。そしたらこれがびっくりするくらいダメで。アタックはピリピリして苦味が増し、旨みはむしろ後退して痩せてしまった印象。なんだこれは。そこで、湯煎でも同じ温度に燗つけして比べてみたところ、こっちはすごく美味しい。燗ならではの良い変化を得られる。最初は気のせいかとも思ったが、少し時間を空けてからもう一度比べても同じ結果だったから間違いない。
別の酒でレンジ燗したときはそこまで悪い印象はなかったんだけど、もしかしたら今回の酒が雄町なのでもともと苦味とか雑味のようなものは持っていて、それを他の要素でうまくマスキングしたり調和をとったりしていたものが、どういう理屈かわからないがレンジのせいでバランスが崩れて表出したのかもしれない。
そういえば以前、居酒屋の店員さんが燗のつけ方ひとつで全く違う酒になるって話してたな。影響を及ぼす要素はいろいろ考えられるが、レンジ燗の場合は温度が急激に上がりすぎるので、それが悪影響を及ぼしたのだろうか。もしかすると、酒によっては逆にレンジのほうが美味しくなるものもあったりしして。
お燗する酒にもよると思うし湯煎しかダメ!とまで言うつもりはないが、やはり傾向としてレンジは味が落ちる気がする。暇な人はどのくらい差があるものか、一度比較してみてほしい。
2017年のベストオブ日本酒
2017年ベストオブ日本のガールズポップ
正直、DJやってた以前ほど熱心に追ってないんだけど、それでもまあこれだけ良作がありました。
REBORN / 門脇麦
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』門脇麦が山下達郎の「REBORN」を熱唱!
山下達郎よる死生観をバラードにのせた名曲。門脇麦が非常に味わいのある歌を聞かせてくれる。とにかく沁みる。
CHAI / N.E.O.
CHAI『N.E.O.』Official Music Video
異端ではあるが非常にポップでファンキー。
柴田聡子 / 後悔
何とも言えず癖になる風貌とメロディ。
王道ポップながら、もう良すぎて泣いちゃうレベル。
つりビット / Get ready Get a chance
【公式】つりビット『Get ready Get a chance』MV Full ver.
元気いっぱいファンクポップ。このグループの楽曲はいつでも質が高い。
― 次点 ―
次点は重くなるのでリンクと一言コメントのみで。
SHE IS SUMMER / 出会ってから付き合うまでのあの感じ
https://www.youtube.com/watch?v=volkGN9_Jts
この曲だけじゃなく二枚目のEP「Swimming in the Love」と1stフルアルバム「WATER」はどちらも捨て曲なしのダンサブル名盤。
モーニング娘。’17 / ジェラシージェラシー
https://www.youtube.com/watch?v=XdV88f-OxCA
娘。のファンク系楽曲は鉄板。
MilkShake / DEJIMAらぷそでぃ
https://www.youtube.com/watch?v=di84mfKMMC8
地方ファンク。
桜エビ〜ず / わたしロマンス
https://www.youtube.com/watch?v=NE54h_xoeAk
矢野博康氏による アッパーチューン。 Negicco「トリプル!Wonderland」を彷彿とさせる。
Perfume / Everyday
https://www.youtube.com/watch?v=W1KavgHS9Y0
今後ますます増えるであろうトロピカルハウスマナー。
アイドルネッサンス / 交感ノート
https://www.youtube.com/watch?v=cS7NIpdhrpw
アイルネ初のオリジナルソング。BBB小出氏らしいやや癖のあるメロディ。
リリカルネッサンス / The Cut
https://www.youtube.com/watch?v=FzU3dcHXlEw
絶妙なカバー選曲。
https://www.youtube.com/watch?v=T6XXILLjAMg
connieさんらしさ全開のエバーグリーン。
MAONATSU / ハッピーモンスター
https://www.youtube.com/watch?v=1FOPSb9W9e0
あからさまなPerfumeフォロワーだが嫌いになれない。
吉木悠佳 / Daybreak
https://www.youtube.com/watch?v=3cdvKw5dctA
跳ね系良質メロウ。
吉木悠佳 / 夢で逢えるから
https://www.youtube.com/watch?v=nE-adQe2Ztc
シカゴのSaturday in the parkオマージュ?
J☆Dee’Z / Fun Time Funk!!!
https://www.youtube.com/watch?v=9VeNsadirqk
Wild Cherry系王道ディスコファンク。
MELLOW MELLOW / ガールズアワー
https://www.youtube.com/watch?v=cUwRiPwujGQ
驚きはないが質が高い。
Fullfull☆Pocket / カンフー乙女
https://www.youtube.com/watch?v=U5McrU6VNd4
中華ディスコ。
Cheeky Parade / MightyGirl
https://www.youtube.com/watch?v=abWAWhfp5uU
E-girlsっぽさ。
WHY@DOLL / 恋なのかな?
https://www.youtube.com/watch?v=ZZTYzWWPz8A
90sオマージュには定評のあるONIGAWARA竹内氏によるダンスチューン。
CHAI「N.E.O.」に見るコンプレックスの二重構造
CHAI『N.E.O.』Official Music Video
一見、美醜という基準ではなく個性をもっと認めて「みんな違ってみんないい」という価値観を持とうよ!と言っているように思える。いわゆる多様性、ダイバーシティだ。しかし、何かのインタビューでぽろっと放たれた「私らって中の下だし、いや下の下かな」という言葉。これは何を意味するのか。
彼女たちは美醜のヒエラルキーを否定しているように見えて、実はそのステージから降りていないのだ。本質的に美醜で評価される社会自体を否定するのであれば自分たちをランク付けしたりしない。中の下とランク付けする(あとから謙遜して下の下と言い換えはしたが)ということは、そのヒエラルキーにどっぷり浸かっていると自ら認めていることになる。
本当に個性を尊重するのであれば、美人であろうがブサイクであろうが同じように社会のあり方を糾弾するはずである。失礼な言い方だが、もし彼女らが既存の美醜の価値観において「美」の側、つまり顔の良さをもてはやされるような存在であったなら、そこで満足してしまいこの曲は生まれなかっただろう。この曲だけでなくアルバム「PINK」の随所で現れるルックスに対する劣等感。彼女らがこれまでの人生でそれによって悩み、苦しみ、傷ついてきたことは容易に想像できる。
ルックスの劣等感を克服する方法はいくつかある。整形して世間の評価を得る、まったく気にしないマインドを育てる、社会のありよう自体を変えようとする、各自の個性を尊重するなど。正直に言って最後の「個性を尊重する」なんてのは、表現としてはもっとも陳腐でつまらない。残念ながら「N.E.O」において彼女らはそれを選んだようにも思える。しかし、そこに至る出自はそんなに素直なものじゃなく、明らかに歪んでいる。「私はブスじゃない!むしろカワイイんだ!お前らもそう思え!私を褒めろ!」そんな厚かましささえ感じる思いがくすぶっているのである。
「NEOカワイイ」とは「カワイイ」の価値観の再定義に他ならない。今までは大きな目が、高い鼻が、細い脚が「カワイイ」だったが、これからはその逆こそが「カワイイ」のだ。「NEO」と言ってしまっている以上、これまでの価値観も肯定して全てを認めることにはならない。全ての個性を尊重するのではなく、あくまで既成の価値基準をひっくり返して、自分がヒエラルキーの上位に立とうとしているのである。そこからは世間的に美人と言われてきた人間に対する怨讐さえ感じられる。
これはコンプレックスまみれの人間が陥りがちな論理のすり替えだが、恐らく本人たちもそこに気付いてはいない。個性や多様性の尊重を謳っているのは本心からだろう。しかし、根底にあるのはやはり劣等感であり、自己肯定感の低さである。自分に自信がない、認めてほしい、カワイイって言ってほしい。だけど、自分たちなんかがそんなことを言ったら図々しいって思われて嫌われるかもしれないから、私たちも含めた全ての人間が認められるような理屈を見つけよう。そんな論理展開が無意識のうちに行われたのではないだろうか。
彼女らはこの主張をリスナーに向けているようで、自分たちに向けている。「みんな違ってみんないい」と自分たちに言い聞かせることで居場所を得ようとしている。でも、人間なんてだいたい何らかの劣等感に悩み、なんとか折り合いをつけながら生きている。個性を尊重すべし、なんてことは言われなくても分かってる。それを他人に教唆するなんてのはおこがましい。だけど自分を守るためにそう言わずにはいられない。結局、褒めて欲しいのは自分であって、他人はそのオマケにすぎない。
そうだとすれば彼女らは実に青臭い。若い。だがそこがいいのだ。一見明るくあっけらかんとした佇まいの裏から透けて見えるコンプレックスに対する叫び。まるでブルースだ。いや、パンクか?とにかくそれがCSSやESGを彷彿とさせる粗くファンキーな演奏に乗る。なんだかんだ言っても、この攻撃的でノー・ウェイブ的なサウンドこそ、彼女らが羊の皮をかぶった狼である証左だ。リスナーはこの音から、その歪んだ主張の裏側を感覚的に嗅ぎ取って、共感するのである。
完璧なDJ
ここ最近家でDJミックスを作成していて気付いたことがある。「現場におけるDJプレイは一つの作品である」ということ。(もちろんこれは俺がそう思っているというだけで、一般論ではない。)
この考えは以前より漠然と持ってはいたが、明白に顕在化することはなかった。ただ、毎回現場でのDJ後に悶々として不全感を抱いていたのは確かだ。つなぎで一か所でもミスをすると必要以上に落ち込む。選曲で思った通りの流れを作れないと腹立だしいほどの不満を感じる。
なぜそこまで完璧を目指すのか?大局的に見て場が盛り上がったならそれでいいじゃないか。いや、それではダメだ。盛り上がりは必要だが、選曲も技術も完全に伴わないと意味がない。プライドか?自己顕示欲か?それも大いにある。だがそれだけではない。一体何がそこまで自分を追い込むのか。答えが出ないまま現場からは身を引いてしまったが、ここにきてようやくわかった。俺は現場でのプレイを一つの作品と捉えていたのだ。作品である以上、自分の完成イメージに対して妥協は許されない。
DJに対してはいろいろな考え方がある。DJプレイとはその場限りの刹那的なパフォーマンスであり、イベントを客と一緒に楽しむための手段で、それ以上でもそれ以下でもないというのが大方の見解だろうか。もちろん、DJ自身のエゴが介入することで、少なからず自己表現としての要素が加わることもある。簡単に言い換えれば「自分をかっこよく見せるための手段」だ。ただ、そこに時間芸術やインスタレーション作品としての完成度を求める人間はそう多くないだろう。
DJプレイは芸術作品であるべき、と言っているのではない。ただ、他の多くの人と自分はDJに対する考え方が違っていたというだけだ。もし自分の考えが大方の見解と同じであったなら、ここまで難しく考えて完璧なプレイができないことで悩むこともなかっただろう。
つなぎはノーミスかつ選曲もイメージ通り、さらに場も盛り上げる。現場でのプレイでこれらを行うのは至難の業である。相当のスキルとセンスが必要になる。少なくとも俺にとっては不可能と言っていい。実現するために考え付く方法といえば、候補曲を全て脳内再生できるまで聴き込む、どんな状況でも何も考えずにつなげるようになるまで体に叩き込むなど、要は不断の努力によってしか成し得ないと思っている。ところで、こんな血の滲むような修練をせずとも簡単にやってのけるDJもいるが、あれは一体どういうことなんだろうか。何か根本的に脳の造りが違うのか、センスが異常なのか。それとも実はこちらが気付かない程度のミスをしていて本人としては不満を持っているのか。いずれにしても俺は降りた。俺には無理だ。そこまでしてDJに魂を捧げる覚悟はない。
そうは言っても、ミックスを練り上げてドロップする行為そのものは曲作りと同じくクリエイティブな作業であり、非常に有意義である。それゆえ、現場を離れても宅録ミックスは時折制作している。現場に対する若干の未練と言えなくもないが。
宅録ミックスの場合、ミスは編集で全て修正できるし、流れも熟考できる。当然出来上がったものは自分の理想に限りなく近い。これを現場で再現出来たらどれだけ素晴らしいか。しかしそれは無理。そんな技術はないから当り前だ。つまり、自宅で時間をかけて念入りに作り上げたミックスと現場での条件反射で作りだしたその場限りのミックス、両者は似て非なるものである。現場で完成度に拘っていたころは、ここを混同して両者は同じものだと勘違いしていたのだ。現場DJを宅録同様に一作品として捉え、執拗なまでに完成度を求めるのはそもそも無理な話であり、それは本来(というか少なくとも俺レベルでは)編集作業を行うことでしか為しえないのだ。ここの勘違いに気付いたことで、これまでの自分の拘りの理由が明確になり、頭の中の靄が晴れた気がしたのだった。
そんなこんなでいろいろ考えながら作ったハロプロオンリーのミックス「The Anthology of Akabanebashi-funk 2017」を久々開催の#ClubGATASにて来場者特典として配布します。私は都合で行けませんが、いわずもがな最高のイベントですので!
5/27(土)23時~ Don't miss it!
http://clubgatas.hateblo.jp/entry/2017/04/02/145454
やし酒飲み / エイモス・チュツオーラ
以前より興味のあったアフリカ文学「やし酒飲み /エイモス・チュツオーラ著」を読んだ。神話的世界観の中で奇想天外、荒唐無稽、支離滅裂な冒険譚が、独特の語り口で淡々と語られる。ここには何の示唆も含蓄も心理描写もない。そもそもそういった深みを求める類の読み物ではないのだが。
一般的には極めて高い評価を得ている小説だが、果たしてこれが文学作品として真っ当に評価できるのか。自由で荒唐無稽なものを面白がる気持ちはわかる。普段の生活がキッチリしていればいるほど、そう感じるのかもしれない。ただ、私にとっては小学生の妄想にしか思えなかった。
確かに現代の西欧文化圏で生活する大人からは出てこないだろう自由奔放な発想は面白い。面白いが、この程度の想像力は子どもなら大体備わっている。それがアフリカ的な価値観を土台にして改めて表現されたにすぎないのではないか。今の私にはこれを深読みすることも、評価すべきポイントを見出すこともできなかった。
登場するグロテスクなクリーチャーや無茶苦茶な理屈は変態的かつ魅力的ではあるが、プロットや心理描写次第でもっと突き抜けられるはずだ。これじゃ物足りない。もっと俺の頭の中をひっかきまわしてくれ!要するに、ただただ純粋に稚拙なのだ。技巧を持った人間があえて既存の完成したものに挑戦したり、壊したりするのとはわけが違う。ピカソやサン・ラは後者で、チュツオーラは前者だ。(どちらが上ということではない。それぞれに良さはある。)純朴であることは素晴らしい。しかし、それ以上の何かがなければ個人的には評価に値しない。純朴さの下に重なる複層的な構造が必要なのである。
Girls Funk Bravo!!!
久しぶりにJ-POP/アイドル系のmix作りました。だいたいここ二年くらいのファンキーな曲でまとめてます。一発録りじゃなくDAW編集mixです。
ちなみに現場復帰する気は全くないです。このレベルのmixをコンスタントにできるならやりたい気もしますが、絶対無理なので。ディグも大変だし。
【FREE DOWNLOAD】
https://www.mediafire.com/?g4c14hba2us38rp
1.菫アイオライト / WHY@DOLL
2.DANCIN' DANCIN' DANCE!! / GEM
3.純情ジレンマ / photograph
4.女はそれを我慢しない / Vanilla Beans
5.すききらいアンチノミー / フィロソフィーのダンス
6.恋わずわず / Lyrical School
7.ディスコティークに連れてって / 星野みちる
8.IN THE CITY / 脇田もなり
9.だいすき / J☆Dee'Z
10.とびきりのおしゃれして別れ話を / SHE IS SUMMER
11.さみしいかみさま / DAOKO
12.Vampire / Awesome City Club
13.READY GO! / 東京女子流
14.dance floor / Shiggy Jr.
15.少女たちの終わらない夜 / H△G × ORESAMA
16.Danger / Especia
17.Shooter / 家入レオ
18.Dance Dance Dance / E-girls
19.lucky train! / AIKATSU☆STARS!
20.TRUE LOVE / 篠崎愛
21.piece of life (second piece) / Ryutist
22.きっと、きっとね。 / でんぱ組.inc