2018年1月に飲んだ日本酒

年も変わったので評価軸について改めて書いておきます。
 
無印=二度と飲みたくない。
★=飲めなくはないが好みじゃないし、人にも薦めない。
★☆=うーん…嫌いじゃないがリピートはない。
★★=好き。また機会があれば飲みたい。
★★☆=驚きはないが、かなり好き。素晴らしい。
★★★=最高。驚きを伴う。
 
一応こんな感じで。★☆以下は載せると冗長になるってのもあって割愛です。
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さて、1月は当たりが多かったですね。タイト&ジューシーに的を絞って比較的保守的なセレクトをした結果でしょうか。
 
 
橘屋 雄町 26BY★★
山廃。アルコールとやや乳酸を感じさせる立ち香。含みはわりと甘いが後には残らない。そこそこの酸。バランスのいい旨みと弱い渋み。この渋みがやや固さを感じさせるが、これはこれで悪くない。また、若干の熟味がアクセントに。55℃くらいの燗にするとそれぞれの要素がまとまってかなり良くなる。
 
H.森本 純米勘造り六十五★★☆
恐らく静岡県内でしか流通していない地元向け銘柄。やや乳酸の立ち香。そこそこの甘みともちっとした酸。乳酸感あるヨーグリッシュな旨み。キレ良し。どちらかといえば濃醇系の食中酒で非常に落ち着きがあり旨い。肴はあっさりしたものでも濃い味付けのものでも、なんでも合う。燗も悪くないが甘みが増してややぼやける。常温の方が酸が効いて締まりがあってベター。
 
ソガペール・エ・フィス ル・サケ・エロティック2015BY★★★
一回火入れの2年熟成。2016年3月に火入れして1年蔵で寝かせたものを、さらに1年ほど冷蔵庫で自家熟成。2年前の2016年3月に飲んだ時はちょっと硬くて味が出てない印象で、正直イマイチだった。昨年同じ造りのものが1年熟成でリリースされたので、今度はすぐに開けずここまで引っ張ってみたがどうか。
立ち香はほぼない。含む。おおおお、これはヤバい。ガス。軽い甘みとジューシーな酸。エレガントな旨み。わずかな苦味。バシッとキレ。ほどよくミネラリーで骨格がはっきりしている。シャープすぎず、かといってぶちゃけた甘みやボケた感じもなく。とにかく立体感がヤバい。旨すぎ。 ちなみに熟味も熟香もゼロだった。
開栓から2週間放置していじめてみたところ、やや液性にとろみがでて濃さが増した。開栓直後のほうがシャープで好みだが、まあこれはこれで。燗で五味がまとまりマイルドに。
 
会津娘 純米生酒うすにごり 雪がすみの郷 ★★
ほんのりイソアミルの立ち香。なんかエキゾチックな不思議なニュアンスもある。含むと甘みがなく強い旨みがずしーんと。そこそこまろやかでごく弱い苦味。特に中盤から後半にかけて純米や本醸造にも通じる会津娘らしさが。ブレない蔵だな。
 
田中六五 生★★☆
ここって生と火入れの2種類しかないと思ってたけど、一応時期によって何パターンかあるのね。ラベルは同じなのでわかりづらいんだけど。で、これは生の新酒おりがらみ。27BYで初めて飲んでそのバランスの良さに感動したんだけど、28BYでまさかの失速。そしてこの29BYでまた持ち直したようです。まさにキングオブバランス。立ち香は極小。含むとそこそこの甘みからふわっとした旨み。酸はやや足りない感もあるが、とにかく雑味がなくそれでいて平板な印象を持たせない。
 
黒松仙醸こんな夜に… 鹿の声は弦のうなり27by★★
生熟成。それなりの熟成香。まずまず強い甘みに熟成を感じる含み香。濃厚な旨み。余韻長く広がる。生熟成のクセはあるが、まろやかで濃醇ジューシーな佳酒。
 
長陽福娘 西都の雫 うすにごり生★★☆
まずは上澄みを。ほのかにイソアミルの立ち香。微発泡とともにほどほどの甘み、ややミネラリーな硬さを見せつつも立体的で複雑な旨みのテクスチュア。最後は軽い苦味とともにスパっとキレる。攪拌するとアタックが滑らかになり、ミネラル感がなくなり旨みが増す。上澄みで見せた複雑さが一気にまとまる感じ。ここは好みの問題だが、今は上澄みのほうが好きかも。燗、さらにまろやかさが加速。これはこれでナイス。
 
安芸虎 雄町 純米大吟醸★★
立ち香は極小。まず甘みよりも酸がくる。旨みはスムーズでそのままきれいな下降線をたどってキレていく。雑味がなくスッキリしている。燗も悪くない。
 
山形正宗 純米吟醸 酒未来★★
2016年出荷とあるので酒屋で1年寝ていたのだろう。50%磨き。甘みはそこそこでほんのり熟成感のある含み香。コクと酸がまとまっており凝縮感がある。粘度やや高めの液性。後半やや鼻に抜けるアル感があるが悪くない。
 
福祝 燗酒純米★★☆
麹米にきたしずく、掛米に彗星というレアな構成。精米歩合は麹60%の掛55%。まずは冷酒。ほどほどにフルーティーな立ち香。もちっとした甘み。濃醇と言うほどではないが程よいコクあり。下支えする酸もあってキレも良い。終盤でやや旨みが抜ける感じもあるがこれはかなりいい。燗にしてもらう。ぐっとまろやかになり旨みが増す。終盤の抜けもなくなる。冷酒を飲んだ限りではそれほど燗に向いてるとは思えなかったが、実際温めるとその名に違わず正しく燗上がりする。旨い。
 
澤屋まつもと Shuhari 雄町&山田錦 ★★☆
年末に飲み屋で飲んで最高だったので4合瓶を入手。柔らかな口当たり。それなりに華やかながら嫌味がなくフルーティーな含み香。甘みはそこそこあり、酸が非常にジューシーで雑味もない。まるでイチゴジュースのような。このシリーズはやはり素晴らしい。多少値が張るが1年かけて追ってみたい。
 
勝駒 純米★★☆
いまやプレミアがついてすっかりレア酒になってしまったが、実家に帰った際ふと立ち寄った地酒屋にシレっと置いてあったので興奮しながら購入。さて、評判通りの味わいなのでしょうか。
まずはわずかにバニラな立ち香。含むとかなり控えめな甘み。上品でキュートな酸と旨み。後半はキレイに捌ける。淡麗系ではあるが物足りなさはなく、とにかく上質できめが細かい。正直味自体にそこまでの驚きはない。ただ、本当に上質感があってバランスのいい酒だと思う。
 
綾菊 吟醸 献上★★
オオセト55%磨きのアル添吟醸を常温で1年熟成(放置)。非常にまろやかで程よく濃醇。ほんのりチョコっぽい熟味を内包しているが、バラけた感じはなくしっかり一体化している。燗でさらに旨みが増す。
 
旭鳳 純米吟醸しぼりたて★★
カプロンまずまず薫るが心地良い。意外にもっちりした甘み。爽やかな酸。若干野暮な旨みが伸びてくるも悪くない。やはり今年も注目銘柄だな。
 
RIE STYLE 山廃特別純米酒★★
るみ子の酒が有名な蔵ですが、杜氏が豊本理恵さんという女性に変わったようですね。いきなり55度の燗で。乳酸とアル感ある立ち香。優しい甘みに案外軽い旨み。後から酸がきて軽い苦味とともにキレ。落ち着きあって良い。この蔵らしく重いかと思いきや、ほどほどに軽いあたりなかなか面白い。
 
山城屋 純米大吟醸 Standard-Class★★☆
29BYから全量生酛・純大中取り・一回火入れという相当チャレンジングな方針の山城屋。立ち香はほぼないが一応イソアミル系かな。優しい甘みと洗練された酸。ほどよくタイトながらしっかり味を出している。言うなれば細マッチョな酒。これ今一番飲みたいタイプだ。通年販売するってのが嬉しいね。自家熟成もよさそう。今年一年追ってみよう。
 
一滴千山 純米直結荒走り生原酒★★
うすにごり。立ち香は軽くカプロンとイソアミルミックス。割と甘く含み香が強い。キレイな旨み。軽く酸の下支えあり。どこかライチ風味。なかなかです。

荷札酒 黄水仙 槽場汲み純米大吟醸 無濾過生原酒★★
若手杜氏として注目を浴びる荷札酒ですが、以前飲んだものは香り系でイマイチ乗り切れなかったがこれはどうか。立ち香はほぼない。含むとほどよくガス。控えめな甘みからのキレイに抜ける旨み。いい意味での雑味をほんの少しだけ内包しているので立体感が出ている。キレも良い。とにかくフレッシュで軽い。アルコール度数13度とはいえスイスイ飲めるので逆に危険。
 
松の司 純米★★
まろやかで優しい甘み。やや乳酸系の旨みではあるがこれまた優しい。アフターでふんわりした良い苦味。正直、面白味もないし地味ではあるが、飽きずに安定して飲める感じ。良い酒。人肌燗くらいが一番好きかも。

電子レンジ燗

ずいぶん前ですが、とある純米酒をなんとなくレンジ燗してみたんですよ。温度はぬる燗くらいまで。そしたらこれがびっくりするくらいダメで。アタックはピリピリして苦味が増し、旨みはむしろ後退して痩せてしまった印象。なんだこれは。そこで、湯煎でも同じ温度に燗つけして比べてみたところ、こっちはすごく美味しい。燗ならではの良い変化を得られる。最初は気のせいかとも思ったが、少し時間を空けてからもう一度比べても同じ結果だったから間違いない。

別の酒でレンジ燗したときはそこまで悪い印象はなかったんだけど、もしかしたら今回の酒が雄町なのでもともと苦味とか雑味のようなものは持っていて、それを他の要素でうまくマスキングしたり調和をとったりしていたものが、どういう理屈かわからないがレンジのせいでバランスが崩れて表出したのかもしれない。

そういえば以前、居酒屋の店員さんが燗のつけ方ひとつで全く違う酒になるって話してたな。影響を及ぼす要素はいろいろ考えられるが、レンジ燗の場合は温度が急激に上がりすぎるので、それが悪影響を及ぼしたのだろうか。もしかすると、酒によっては逆にレンジのほうが美味しくなるものもあったりしして。

お燗する酒にもよると思うし湯煎しかダメ!とまで言うつもりはないが、やはり傾向としてレンジは味が落ちる気がする。暇な人はどのくらい差があるものか、一度比較してみてほしい。

2017年のベストオブ日本酒

2017年も結構いろいろ飲みました。ただ、種類数としては減ってきてます。
日本酒経験値が上がるにつれて、求める味のハードルも高くなってきてるんですよね。これまでは手当たり次第というか、とにかく知らない酒に対する好奇心が勝っていたんですけど、徐々に当たりの確率が高い酒に絞って狙う方向に変わってきました。2018年はさらにこの傾向が進むでしょうね。どうでもいい酒を控えて、その分の金を多少高くても間違いない酒に投資するようになるんじゃないかしら。
 
さて、2017年に飲んだ中で好印象だったものを抜き出してみたところ、意外にもジューシー系に引っかかっていたことに気がつきました。あまりフルーティなのは敬遠しますが、ある程度ガス感があってすっきり飲める、いわゆるサイダーのような酒を求めている自分が。その手の酒はガキっぽくていいや、なんて頭では思っていたはずが、体は案外求めていたという…。
 
また、トピックとしては、濃醇系への飽きと定番晩酌系の魅力に気づいたことですかね。濃醇系、いわゆる濃くて甘酸っぱいやつはもういいかな。この系統はわりとどれもキャラクターが似てて変化に乏しいのも飽きた理由の一つです。そして定番晩酌系。スーパーでも手に入るような地味で安価な定番の加水火入れ酒にじわじわ吸い寄せられてます。インパクトはないんだけど、不思議とまた飲みたくなるっていうか。実際この手のはカス酒が大半なんだろうけど、その中から実は良酒ってのを発掘するのが、まるでレコ屋じゃなく町の古本屋とかリサイクルショップで良盤を発見するのに似ててdig魂が刺激されるんです。
 
というわけで、2017年の振り返りは「ジューシー系」「定番晩酌系」「軽熟成系」「生酛山廃」「その他」というカテゴリーでそれぞれベスト5を選出していこうと思います。コメントは基本、初出時のものを転載していますが一部加筆修正も。
 
 
■ジューシー系
甘すぎず、骨格があって酸がしっかり仕事をしている酒を選びました。この手のはヘタをすると無駄に香ったり旨みがボケたガキっぽい酒になりがちなので、ある程度タイトでシャープな雰囲気を嗅ぎ取ってチョイスするようにしてます。
なお、本当は12月に飲んだ守破離の雄町&山田錦も入れたかったですが、notitleを載せたので泣く泣く割愛。
 
野崎酒店 赤ラベル 純米吟醸 美郷錦仕込★★★
新橋の居酒屋、野崎酒店のプライベートブランド。「春霞」の栗林酒造が醸した美郷錦50%磨きの純米吟醸。立ち香は弱く、含むとシャープなアタックで甘みよりもビビッドな酸が主張。旨みはスリムながら薄っぺらさはなく凝縮感と足腰の強さがある。リリースでほのかな苦み。柑橘を思わせるジューシー美味酒。温度が上がると明らかにアタックが柔らかくなる。面白い。★3つにするか2.5にするか迷ったけど、おまけして3にします。
 
旭鳳 純米吟醸 生 泰平★★
八反錦60%、香り弱いながらも洋梨っぽさがある。軽い甘みにスムーズな旨み。多少の渋みと辛さ。アル感もあるが全体的にはよく出来ていてソツなくまとまっている。八反錦の特徴である、いい意味でのソリッドさと軽さが素敵。なんだろう、派手さはないけど不思議とまた飲みたいと思わせる何かがある。
 
刈穂 white label★★☆
ほのかに柑橘系の立ち香。白麹ってこととラベルの印象から勝手にシャープ系の酸っぱい酒を想像してたが、思っていたよりずっともっちりした甘みを持っている。そこに予想通り鮮烈な酸。旨みは控えめで、そのまま霧散するようにキレていく。アフターに残るごく軽い苦みも悪くない。後口にやや水っぽさというか物足りなさを感じるが、甘酸系の酒としては高いレベルにある。初心者にも玄人にもおすすめできる。
 
澤屋まつもと 守破離 no title★★★
これはすごい。含むと甘みは控えめでかなり強めのガス、なおかつガスの裏でまつもとにしては滑らかさすら感じる柔らかさがある。そしてガツンと強めでフルーティな酸。そのあとそれなりの旨みがやってくるものの、それを感じるのは一瞬で速攻でキレて行く。いろいろな日本酒を飲んできたが、含んでからキレまでの時間がここまで短いのは初めて。
 
開運 純米 無濾過生原酒★★☆
山田錦55%。静岡酵母らしい優しいメロン香。口当たりは非常に柔らかく滑らか。微かなガス感もあり。軽快な甘みと旨み。ジューシーな酸味がフレッシュさを演出。最高に芳醇でうまい。最後はごくわずかな苦味を伴ってスっと捌ける。なんという立体的で躍動感のある酒か。ただ、開栓から数時間後、常温近くで飲んだら今一つフレッシュ感が失われて平板な印象に。これが時間的変化によるものなのか温度的変化によるものなのか、車中だったので確かめようがなかったんだけど、恐らく温度かな?いずれにしろ開栓してすぐは間違いなく ★★★だったんだけど、この味の崩れで★が半分減りました。それでもやっぱり開運は静岡酒の最高峰だな。大好きです。
 
 
■定番晩酌系
結局のところ「飽きない」というのが最強なのかもしれない。もちろん不味いのは論外ですが、おじさんたちがこの手の地味だけどしみじみ旨い酒に落ち着いていくのはわかる。
 
都内ではスーパー御用達の銘柄なので正直ナメてたけど美味いわ。バニラリーな立ち香。含むとほんのり熟感を感じるほどほどの甘み。意外にも味幅のある旨みと比較的強めの酸の後、辛みがやってくる。食中酒としてかなり優秀。熟成もそれなりに行けそうなので試してみよう。
 
彦市 純米地元一貫造★★☆
冷酒だとあまり味の出てないありがちな田舎酒なんだけど燗つけると一気に化ける。旨みが増幅してふくよかに、なおかつこの酒本来のすっきりさも併せ持つため、いくらでも飲めてしまう。純粋に味だけなら★☆だけど、ここまで変化が著しいのは久しぶりだったため、この化けっぷりに★ひとつ追加。
 
旭菊 大地 純米26BY★★
いわゆる純米らしく燗上がりしまくるタイプ。地味で特段目立つところはないが、それでいてしっかり存在感はある、まるで昭和のホームドラマに出てくる母親のようなほっとする酒。2年熟成だが熟香はほとんどなく、優しいアタックですーっと口中に入っていく。たいていの燗酒はここで旨みの主張がくるんだが、この酒はそれが控えめでふわふわしたまま最後の酸に収束していく。ただ、決して軽いわけではない。飲み疲れしない非常にバランスのとれた純米酒。なお28BYはちょっと硬くて味が出ておらず、ここで得たような感動はなかった。ある程度熟成させてナンボの酒ですね。
 
白鷹 特別純米 伊勢神宮御料酒★★
山田錦70%。大手酒蔵で有名銘柄にもかかわらず都内ではあまりお目にかかれないが、とあるスーパーで発見。500mlで700円という安さ。さあ味はどうか。まずは若干の乳酸を感じる立ち香。含むと割と甘みは強く乳酸系の旨みも濃醇。酸の輪郭がはっきりしてるので非常に好印象。後口が少々雑だが、まあ値段考えたら十分か。ぬる燗~上燗で丸みが増し、後口の雑味も弱くなる。燗冷ましで酸が増してさらに飲みやすく。これは熟成もいけそう。
 
初孫 生酛純米27BY★★☆
常温自家熟成シリーズ。 スーパーで安売りしてたのを買って1年置いてみたけど まあ失敗しようのないスペックだよね。予想通りにまろやかなアタック、思ったより感じる甘み、ごく軽い熟味、腰の強い旨み。生酛らしい深み。燗もばっちりはまる。ただ、常温でも充分旨いので燗専用というほどでもない。なお、非熟成のものに関してもそれほど大きく印象は変わらない。ほんの少し酸や硬さがあるかな、といった程度なので特に問題なし。逆に言うと、売れ残りでも入荷したてでも品質はほぼ安定してるってことで。
 
■軽熟成系
なんだかんだ言ってほんのり熟成させた落ち着きのある酒が一番好きなんです。ちなみに熟成は熟成でも長期熟成酒はそこまで好みではありません。何かみんな同じになっちゃう気がして。面白いしたまにはいいんですが、それほど好んで飲む気はしないですね。
 
富久長 超ひやおろし吟醸 秋櫻  2年熟成(2015BY) ★★☆
軽く甘みを予感させる立ち香。含むと想像通りのライトなタッチ。このあたりは富久長 らしさか。旨みはきれいでスムーズ。エレガントにキレ。熟味も軽くあり。これ、熟成してなかったら物足りなかったんだろうな。ほどよく角が取れて旨みが育っている印象。かなり好きなタイプ。今後、この手の軽い酒の熟成をもうちょっと追及してみたい。
 
ロ万 火入れ原酒P 25BY★★☆
ロ万の「P」?全く聞いたことないな、と思ったらこの年にだけ造った、かどや酒店のPBらしい。店の冷蔵庫で4年近く寝かせていたとのこと。これもロ万独特の柔らかさ。ややもっちり感があって軽くはないが重いというわけでもない。控えめに熟成感もあり、すーっと体に馴染む。
 
伯楽星 特別純米 ひやおろし★★★
立ち香はほどよくカプロン。柔らかで上品な甘みからフレッシュ&フルーティな含み香を伴った、ふくよかな甘みに移行する。最初の含みでこれだけ立体感があるのは面白い。旨みも酸もキレイに出ている。最後は軽い苦みで締める。軽すぎず重すぎずエレガントさがある。通年の伯楽星は正直淡麗すぎて好みじゃないんだが、これはいいね。熟成の賜物。
 
天穏 無濾過生詰原酒 山廃純米 ひやおろし27BY★★
27BYをひやおろしとして2016年の秋にリリース。さらにそのまま店で半年眠っていたのを購入。都合約2年ほどの熟成になる。米は特等雄町。ほんのわずかな柑橘っぽい立ち香。含むと優しい甘みと柔らかい酸がフェードイン、若干の乳酸を伴った旨みがやってきて弱い苦味が顔を出しながらゆっくりフェードアウト。少しアルコール感あり。ひやおろし+半年寝かせのわりに熟味はないが、熟成によるまとまりは感じる。雄町らしい濃醇で豊かな味わい。
 
国権 秋あがり 28BY★★☆
2016年秋リリースのものなので都合1年くらいの熟成か。上品で儚げなんだけどそれなりに強度はある甘み、舌の奥で軽い熟味を伴ったコクと酸を感じたまま苦味に変化する。やっぱこのくらいの軽い熟成された酒が一番好きだわ。常温になると急に雑な感じになるので冷酒のほうがいい。常温を超えて40度くらいまで上げれば、これはこれでいい感じになる。ただそこまで燗上りするわけではない。
 
■生酛・山廃
近年流行の兆しがあるのでいろんな蔵が手を出してるけど、ただのゴツい酒に成り下がってるのが多くて残念。今後はこの製法ならではの酸と深みを生かしつつもキレイな酒質のものが抜けてくると思います。個人的には「乳酸」っぽさが好きなのでそこにも注目していきたいところ。
 
居谷里 山廃 純米 火入れ原酒70 27BY(緑ラベル)★★
実に濃醇でインパクト充分ながら、骨太過ぎないのでついつい杯を重ねてしまう。山廃らしい酸はそこまで明確に感じないが、全体のバランスをとる舵取り役として確かに機能している。極小レベルながら終盤に熟味が感じられ、それがこの酒の奥深さにつながっている。非常によくまとまったいい酒。
 
カネ中 家伝造り 生酛純米 23BY ★★☆
近所の酒店のバックビンテージ。平たく言うと売れ残り。いつもながら濃醇で最高。濃い目の食べ物と合わせるとさらに映える。熟成によるチョコっぽさはほとんどない。カネ中は熟成させたほうが絶対美味い。
 
開春 西田 生酛純米★★☆
山田錦。軽い熟味と生酛ならではの乳酸感。冷やでも燗でもどちらも良さを発揮できる。これは自家熟成に向いてるかも。
 
小左衛門 純米 生酛造り 備前雄町 火入れ★★
乳酸系の立ち香。アタック時点での甘みはほぼないが、乳酸系の旨みにちょうどいい感じの甘みが伴って広がる。酸もしっかりでしつこくない。27BYとあるので蔵で少し熟成させてから出荷してるのかな。とても好きなタイプ。思ったほど燗上がりはしない。むしろ燗冷ましが良い。まあ冷酒~常温で充分か。
 
弥栄鶴 山廃純米 70 27BY★★★
祝と祭り晴という珍しい米を使用。軽い熟成感のある香りに優しい甘さと、ともすれば菩提酛にも通じる乳酸(ヨーグルト)っぽさが特徴。口当たりもまろやか、どちらかといえば濃いが濃醇というほどではなく飲み疲れしない。とにかくとても好きなタイプ。旨みに関して、アミノ酸系の旨みがまずやってきて、その後から酸が広がりを抑えにかぶせに来るパターンが多いけど、これは旨みと酸が同じタイミングで一つの味わいとして混然となったものがやってくる感じ。熟成しているのは確かにわかるが、いわゆる熟味が分離して存在するのではなく、全体をまろやかにまとめあげるという効果としての熟成感を感じることができる。で、当然ながら燗映えしそうだがどうか。うむ、温度が上がるにつれて甘みや幅が広がる反面、酸が弱くなって少し締まりがなくなる。個人的にこの酒の「酸」に惹かれているわけで、それがなくなるのはあまり好ましくない。というわけで25-30℃くらいがふくよかさと酸のバランスがとれてちょうどいいな。
しかし後日ふとこの酒のことを思い出すと、またすごく飲みたくなる。なんなんだろうこの中毒性は。
 
■その他
最後、今回のカテゴリには当てはまらなかったけど印象に残ったものを。
 
三千櫻 地酒SP 直汲 生(普通酒★★
初日は冷酒が一番いい。常温以上だと鼻に抜けるアルコール感がちょっと気になる。かすかな甘さが微発泡感を伴ってスムーズに入ってくるが、すぐ旨みにバトンタッチ。その旨みがそのまま増幅して再び甘みが顔を出す。最後は軽い苦みとともに捌けていく。酸は主張しないが確かに存在している。アル添によるごく薄いベールは終始感じるが、悪い方向には作用していない。二日目、初日とは全く違う酒に!液性に丸みが出て甘みが明らかに増大。含んだ時点からそこそこ強い甘さを感じるが酸がちゃんと無駄な広がりを抑える。中盤以降の流れは初日と変わらないが、全体的にまとまりが出た。初日に感じた浮いたアルコール感もあるにはるが、全体のバランスの変化によってそれほど気にならなくなってる。こりゃうまいわ。普通酒とかアル添を敬遠する人にこそぜひ飲んでほしい逸品。
 
裏鍋島 隠し酒★★☆
荒責ブレンド。一部では味が落ちたと囁かれる鍋島だが、いやいや充分うまいじゃないですか。立ち香はほとんどなく、シルキーな甘みからきれいな曲線を描いて旨みに移行、酸もしっかりで美しく着地。エンベロープも味わい自体もスタンダードな感じなんだけど、なんというか、いちいちクオリティの高さを感じる。恐らく甘みが優しく雑味がないことが上品さにつながっているためだろう。
 
播州一献 純米大吟醸 北錦★★☆
無濾過生で磨き50%。フレッシュ&フルーティ系の純米大吟醸でおおっと思える酒に出会ったのは久しぶり。 立ち香はフルーティでそこそこあるが料理の邪魔をするほどではない。含むとしなやかな甘みと強めの酸がスムーズに入ってくる。旨みもしっかり。アルコール感や苦みはなくきれいにひけていく。なんというか、どちらかといえば濃醇なんだけどバランスがすごく良くて悪いところが見つからないんだよね。もうちょい低精白だったらこのバランスがさらに濃醇に寄っちゃって崩れそうだな。良くも悪くも人懐っこくてわかりやすい。
 
自然郷 七(セブン) special ver. ★★★
通常のセブンを飲んでないのでこのspecial ver. と具体的に何がどう違うのかイマイチわからないが、他ブログの通常セブンの感想を見る限りでは、やはり若干異なる味のようだ。こちらはとにかく柔らかいアタックが特徴的。まるで引っかかりがなく、スムーズに口中に滑り込んで、優しい甘みと旨みがブワっと広がる。この広がり方の幅がすごい。甘みの性質は村祐にも似た上品でシンプルなもの。酸は弱めだが、ごくわずかな苦みがキレにつながっている。
 
風が吹く<金>山廃 純米吟醸 生酒うすにごり(中取り)★★
この酒はとにかく酸の存在を感じさせないのが面白い。酸度自体は1.7なので普通だが、舌に感じるのはツルっとした甘みと旨みで山廃にありがちな酸はほぼわからない。だからといってボケてるわけではなくちゃんと立体的な構造はあるし、それなりに輪郭もわかる(この辺に酸度1.7の意味が隠れているのか)。明らかにモダン山廃の一つの方向性を指し示している。
 

2017年ベストオブ日本のガールズポップ

正直、DJやってた以前ほど熱心に追ってないんだけど、それでもまあこれだけ良作がありました。

 

REBORN / 門脇麦

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』門脇麦が山下達郎の「REBORN」を熱唱!
山下達郎よる死生観をバラードにのせた名曲。門脇麦が非常に味わいのある歌を聞かせてくれる。とにかく沁みる。

 

CHAI / N.E.O.


CHAI『N.E.O.』Official Music Video

異端ではあるが非常にポップでファンキー。

 

柴田聡子 / 後悔


柴田聡子「後悔」(Official Video )

何とも言えず癖になる風貌とメロディ。

 

RYUTist / 涙のイエスタデイ


涙のイエスタデイ|RYUTist

王道ポップながら、もう良すぎて泣いちゃうレベル。

 

つりビット / Get ready Get a chance


【公式】つりビット『Get ready Get a chance』MV Full ver.

元気いっぱいファンクポップ。このグループの楽曲はいつでも質が高い。

 

― 次点 ―

次点は重くなるのでリンクと一言コメントのみで。

 

SHE IS SUMMER / 出会ってから付き合うまでのあの感じ

https://www.youtube.com/watch?v=volkGN9_Jts

この曲だけじゃなく二枚目のEP「Swimming in the Love」と1stフルアルバム「WATER」はどちらも捨て曲なしのダンサブル名盤。


モーニング娘。’17 / ジェラシージェラシー

https://www.youtube.com/watch?v=XdV88f-OxCA

娘。のファンク系楽曲は鉄板。

 

MilkShake / DEJIMAらぷそでぃ

https://www.youtube.com/watch?v=di84mfKMMC8
地方ファンク。

 

桜エビ〜ず / わたしロマンス

https://www.youtube.com/watch?v=NE54h_xoeAk
矢野博康氏による アッパーチューン。 Negicco「トリプル!Wonderland」を彷彿とさせる。

 

Perfume / Everyday

https://www.youtube.com/watch?v=W1KavgHS9Y0
今後ますます増えるであろうトロピカルハウスマナー。

 

アイドルネッサンス / 交感ノート

https://www.youtube.com/watch?v=cS7NIpdhrpw
アイルネ初のオリジナルソング。BBB小出氏らしいやや癖のあるメロディ。

 

リリカルネッサンス / The Cut

https://www.youtube.com/watch?v=FzU3dcHXlEw
絶妙なカバー選曲。

 

私立恵比寿中学×Negicco / エビネギ・オーライ!

https://www.youtube.com/watch?v=T6XXILLjAMg
connieさんらしさ全開のエバーグリーン。

 

MAONATSU / ハッピーモンスター

https://www.youtube.com/watch?v=1FOPSb9W9e0
あからさまなPerfumeフォロワーだが嫌いになれない。

 

吉木悠佳 / Daybreak

https://www.youtube.com/watch?v=3cdvKw5dctA
跳ね系良質メロウ。

 

吉木悠佳 / 夢で逢えるから

https://www.youtube.com/watch?v=nE-adQe2Ztc
シカゴのSaturday in the parkオマージュ?

 

J☆Dee’Z / Fun Time Funk!!!

https://www.youtube.com/watch?v=9VeNsadirqk
Wild Cherry系王道ディスコファンク。

 

MELLOW MELLOW / ガールズアワー

https://www.youtube.com/watch?v=cUwRiPwujGQ
驚きはないが質が高い。

 

Fullfull☆Pocket / カンフー乙女

https://www.youtube.com/watch?v=U5McrU6VNd4
中華ディスコ。

 

Cheeky Parade / MightyGirl

https://www.youtube.com/watch?v=abWAWhfp5uU
E-girlsっぽさ。

 

WHY@DOLL / 恋なのかな?

https://www.youtube.com/watch?v=ZZTYzWWPz8A
90sオマージュには定評のあるONIGAWARA竹内氏によるダンスチューン。

2017年12月に飲んだ日本酒

ここのところは明らかに嗜好が変わってきてて、熟成や濃醇系よりも雑味がなくてすっきりタイトかつちゃんと酸と旨みが乗っているのが飲みたくなってますね。あとは分かりやすくポップな発泡感ある新酒も。飲んでて楽なんだよね。疲れてんのかな…


船中八策 純米 超辛口★★
製造が2016年6月で約半年は店の冷蔵庫、そこから1年は押し入れで常温。都合1年半の熟成なのにほとんど熟香やチョコ感がない。しっかりした旨みの後は辛口が売りの酒らしく素晴らしいキレ。ややアルコール感は気になる。55度に燗つけ。アタックに丸みがでて旨みも増し、好みのタイプに。中盤で若干の渋みというか硬さを感じる。開栓放置でさらに半年くらい寝かせてみるか。

長珍 特別純米酒 2016BY★★
昨年10月に買ったものを1年間押し入れで常温熟成。これがびっくりするくらい熟成感がなくてですね。ひやおろしだってもうちょっと変化あるっていうのに。これが長珍って銘柄の酒質の強さなんですかね。ほんのり甘やかで乳酸も感じる立ち香。甘みは弱めで旨みが豊か。多少アルコール感も手伝って辛めのアフター。燗つけると全体的にまろやかにはなるが大きく印象は変わらない。少なくとも冷酒で飲むのはナンセンス。

達磨正宗 熟成古酒用仕込 純米ひやおろし★★
麹米に雄山錦、掛米に日本晴を使用。75%の低精白。上二つとは逆に今年の造りとは思えないほどの熟成香。芳醇で濃厚だが抜けのいい甘み。意外にもクリアな旨みとそこそこの熟味。極小の苦味とともにキレ。濃醇甘酸系でわかりやすい。

会津娘 純米★★☆
立ち香は弱い。甘みはあまりなくドライな印象。すぐに苦味が来てそのまま保持される。この苦味の出方はありそうでない。ただ、嫌な苦さではなく旨みの幅も広いので食が進む。もずく酢と合わせたら苦味が引っ込んで旨みが増幅した。フレッシュ&フルーティ系とは対極にある地味すぎるぐらいに地味な酒だが、なぜかまた飲みたくなる。バランスの良さなんだろうな。同じ銘柄の本醸造を飲んだ時に感じた甘みの出方や苦味が共通している。

木内 純米吟醸 生酛造り 生原酒 しぼりたて ★★☆
生酛でしぼりたてって案外飲んだことなかったかも。立ち香で極小のアルコール感。含むと弱い発泡感。乳酸的な少しだけ癖のある甘みに酸がすぐ追いつく。そのままジューシーさを保ちながら乳酸由来の旨みと苦味がふわっと顔を出して、急速にキレ。最後は心地よく、ごく弱い苦みの余韻がフェードアウトしていく。これは旨い。あまり飲んだことないタイプの味の出方。燗つけると酸がいい感じにジュースっぽくなって、苦味を含んだ複雑なアフターがまとまりを得て丸くなる。これもまた美味い。最近苦手な生の嫌な感じは皆無。

初亀 粋囲 特別純米★★
誉富士。立ち香はほとんどない。ふんわりした落ち着きのある甘みからキレイに抜ける旨みへ。そのまま心地よい旨みの余韻が長く続く。火入れの落ち着きを感じさせ、癖のない非常に飲みやすい酒。バランスいい。燗つけてもいい意味であまり印象は変わらず。

澤屋まつもと 守破離 雄町×山田錦 生 ★★☆
杜氏による手書きラベルに何の意味があるのかよくわからないが、味は最高級。これ磨きがわからないんだよな。多分50%以下だとは思うけど。さて、含むと期待通り、いつもの守破離 と同じような軽い発泡感。そしてジューシーな甘みからの上品な旨み。生ムレ感は当然一切なくフレッシュ。程よくミネラリーでもあり、実にエレガント。やっぱはずさねえなあ。4合で税込2700円だけどこの酒質なら全然高いと思わない。

田林 生酛 特別純米酒★★
真鶴の蔵。この銘柄は全く知らなかった。軽く甘みと乳酸を感じる立ち香。含むと香りの印象そのまんまの味わい。いわゆるクラシック生酛だが重すぎない。酸がほど良い。ややふわっとした余韻が残る。燗もよさそう。

しぜんしゅ 生酛 しぼり生★★
2017年11月よりこれまでの「金寳自然酒」から「にいだしぜんしゅ」へブランド名称を変更したそうで。味は変わらず、とのこと。磨き80%。甘くバニラリーな立ち香。軽い発泡感と、濃い目ながらあっさりした甘み。なかなかフルーティー。旨みはしっかりで非常にバランス良く、万人におすすめできる飲みやすさ。

日高見 芳醇辛口純米吟醸 弥助★★☆
淡麗ながら凝縮感があり全く物足りなさはない。芯の部分で酸が効いてる。素晴らしいキレ。シャープでキュート。 最近こういうの好きなんだよね。なお、鮨との相性の良さが売りらしいが、とりあえず魚なら問題なかろうとシラスおろしに合わせたら最高だった。

篠峯 純米生原酒 直汲無濾過★★
今期の新酒第一弾。雄山錦+北雫。アルコールっぽい立ち香。ガスあり、甘みは控えめでドライ。やや旨みがぼやけた印象もあるが、酸がしっかりそれを抑える。いつもながらミネラリーでソリッド。立体感がある。じわーっと極小の苦味を感じながらキレ。驚くほどではないが、普通に美味い。常温で柔らかさが出た。燗は新酒の意味がほぼなくなるが、丸みがさらに増してまとまりが出る。甘みが増す分よりジューシーになるともいえる。骨格の堅牢さは崩れないので、それはそれで面白い味わいに。うーん、こっちのほうが好みかも。二日目、酸がぐっと前に出るようになった。開けたてよりこっちのほうがいいね。

花巴 山廃本醸造 生詰原酒26BY★★
熟成香もあり甘みと乳酸を感じさせる立ち香。予想通りの非常に濃醇でやや癖のある甘み。その甘みを纏ったままこれまた濃醇な旨みに移行。立ち香以外でアル添の雰囲気はわからない。印象はあまり変わらないが燗もすごくいい。軽めのチョコ(ブルボンブリリアントトリュフ和み柚子)と合わせたら最高のマリアージュを見せてくれた。

星自慢 特別純米無濾過生原酒 しぼりたて新酒★★
麹米が五百万石で掛米がチヨニシキ。やや乳酸っぽい立ち香。もっちりした旨みと乳酸。コク。濃厚でうまい。

多満自慢 ひやおろし米原酒★★
ややタンス的な枯れた立ち香。濃厚な甘み。乳酸な旨みと酸。非常に燗映えする。


丹沢山 秀峰 生原酒★★
丹沢山には珍しい生酒。ごく弱いアルコールの香り。甘みの強さはそこそこだが蜜のようなニュアンス。意外にもフルーティな含み香。その後ドライな旨みがすぐに。鼻に抜けるアルコール感はあるが、ほろ苦さをまとっていて面白い。後半で酸が存在感を増す。

亀泉 純米吟醸 生★★
この銘柄はCEL24が有名で自分もそれしか知らなかったが兵庫山田錦のこいつは果たしていかに。まずは軽くフルーティーな立ち香。含むと生感とともに濃厚な甘み。ほど良い酸。ジューシー&フルーティーを絵に書いたような味わい。いかにも生っぽいほわんとしたアフター。この手はもはや好んで飲みたいとは思わないが、それでも飲めば旨いと思えるバランスの良さがある。今度は火入れかな。

新政エクリュ2015BY★★☆
自分の酒を「作品」とか言っちゃう東大卒のイケメンを素直に褒めるのは非常にシャクに触るのだが、そんなくだらないやっかみで美味い酒を逃すのはバカバカしいので飲みます。さて、グラスに注ぐとなかなか強いカプロンが香る。口開けだからか、含むとまだ少しガスが残っている。酸がとてもジューシーで凝縮感がある。柑橘系でキレ良し。非熟成のエクリュよりもまとまりがあって、やや濃醇になっているか。熟味は全くない。悔しいがこれは美味い。

萩の鶴 純米生原酒 しぼりたて★★
いかにも濁りらしい立ち香。爽やかな甘み。フレッシュ。ほど良い旨み。バランスよし。軽い苦味でフィニッシュ。わかりやすく非常に飲みやすい。

松の司 生酛純米 H28BY★★
最初から燗で。軽く乳酸を感じる立ち香。柔らかな甘みからのスムーズな旨み。これは頭ひとつ抜けてるな。甘みのエンベロープが嫌味なく終盤まで続く。熟味はないが、まとまりある。燗冷ましはふわっとした酸のおかげでジューシーさが出てくる。

六十餘州 純米吟醸 山田錦★★
名前は聞いていたが飲むのは初めて。基本、立ち香は心地よいイソアミル系だが、カプロン系のイチゴを連想させるところも。甘みと同時に強い旨み。全体的にまろやか。案外フルーティーなのでキャッチーで飲みやすい。

2017年11月に飲んだ日本酒

最近、いい日本酒専門の飲み屋を見つけましてね。店主がやたら偏屈でネットに情報上げたら殺す、みたいな人なので詳細は言えないんですが、つまみは何食っても美味いし、日本酒のチョイスは絶妙だし、狭くて居心地いいし、安いし、店主と音楽の趣味も合うしで最高なんですよ。ただ、あまりに偏屈すぎるゆえに客が来なくて潰れるんじゃないかと心配でなりません。
 
 
菊姫 先一杯★★
菊姫はいろいろ飲んできているが、こいつは初めて。常温。立ち香はごくわずかにバナナで含むとどこかフルーティさも想起させる優しい甘みとスムーズな旨み、しっかりめの酸。それでいてこの落ち着きはさすが菊姫と言いたくなる。アフターで軽い苦みがあるがこのバランスだと嫌味がない。全体的に寝かせの妙を感じさせるどっしりした味わいだが、その中でもふっと抜ける軽さが同居している。46度の燗。一気にまろやかになって旨みが増す。苦味弱まる。少し酸が乖離する感じもあるが、ここは燗のつけ方次第な気も。いずれにしても、明らかに燗のほうがうまい。
 
仙禽 ナチュール deux★★
ドメーヌさくら亀の尾90%磨き。ザッツ変態酒だが一応コンセプトは古式生もとで蔵付き酵母を使用し無添加、自然派とかいう非常に面倒くさい感じ。さて、肝心の味はどうか。甘酸っぱい立ち香。とろみのある液性。含むと意外に甘みは弱いが、すぐ濃醇な乳酸系の旨みが強めの酸とともにやってくる。この酸のおかげでキレも出ている。甘さを抑えているためか、この手の濃醇酒にしては量が飲める。まあ、味わいとしてはだいたい予想の範囲内だったかな。
 
廣戸川 純米吟醸 無濾過生原酒★★
わかりやすい派手めなフルーティ酒。立ち香はフローラルで結構香る割に味わいはそこそこ落ち着きがある。柔らかな甘みに上品な旨み。やや乳酸っぽさも探すことができる。アフターで鼻に抜ける若干のアルコール感があるが、まあ許せる範囲。
 
篠峯 雄町 純米吟醸 凛々 無濾過生原酒★★
立ち香はほんのりカプロンで、含むと軽いガス感。やや硬質だが豊かな甘みとフルーティな含み香。旨みは分厚くソリッドでミネラリー。しっかりした外骨格で立体感のある酒。紛う事なき篠峯の味わい。
 
若駒 ひやおろし 雄町70 瓶火入れ無濾過原酒★★
イソアミルの立ち香。甘みは軽い。ほんのり熟成感と乳酸。あとからしっかり酸が引き取る。キレはまずまず。ほわっとした余韻が残る。典型的なひやおろしの味わいでバランスがいい。
 
乳酸系の立ち香。甘みと旨みがほぼ同じタイミングでやってくる。旨みはふくらみがあり、ひやおろしらしく程よく熟している。若干の酸がきて、最後に軽い苦み。ふわりとした余韻がある。悪く言えば中庸なひやおろしだが、バランスがよく濃いめなので割と好み。
 
扶桑鶴 純米酒 高津川★★
五百万石/祭晴使用の70%磨き。ぬる燗でいただく。まだ少し硬いか。 とはいえ、開栓後4日でこの程度なら、ここから年単位で置かないといい感じには育たないかな。米の使用割合は不明だが、五百万石にしてはかなり味が出ている印象。旨みは申し分なくキレもいいが、ごく弱い渋みがある。山陰酒のゴツさはないが、平均的な晩酌用の燗酒として充分うまい。
 
益荒男 山廃純米 極 熟成原酒★★
農口杜氏が在籍した最後の年の醸造とのこと。その後5年間タンクで低温熟成。ミーハー根性丸出しですが、なかなか飲めるものではないので。甘やかな熟成香。甘みはそこそこで柔らかくほんのり渋みを感じる。旨みはふくよかで熟味も強い。ゴツめの酸でスパっとキレるが、多少アルコール感もあるか。
 
梅の宿 奈良流五段仕込 露葉風 純米吟醸★★
生もあるらしいが今回は火入れタイプ。純米吟醸(60%磨き)とは思えない濃醇さ。これは5段仕込みならではか。乳酸系の立ち香。柔らかなアタックを持つ甘みかすぐにジューシーな酸が。旨みは軽い乳酸系ながら突出しすぎてないのがいい。基本的には濃醇甘酸系の典型的な味わいだが、なかでも酸が強い。後半やや雑になるが案外キレはいい。燗にするとアタックがより果実味が出てジューシーになり、中盤以降は柔らかくまとまる。これはこれでいい感じ。
 
雅山影の伝説 純米無濾過原酒 五年熟成★★
山田錦。イソアミル系のフローラルな立ち香。含むと優しく柔らかな甘みがじんわりひろがり、上品な旨みに移行する。酸はあまり感じず、弱い苦みがある。-5度下での熟成だったためか、いわゆる熟味はほとんどなく上品で5年熟成ということを考えるとむしろ軽ささえ感じる。ただ、全体の柔らかさやまとまりは熟成ならではのもの。常温だと若干粗が目立ち香味がくどくなってくる。燗もまずまずだが冷酒が一番すっきりしていいかな。
 
井乃頭 純米大吟醸★★
美山錦。香りも華やかで分かりやすい純米大吟醸。悪くないけど面白味はないね。(メモ紛失につき感想が適当)
 
能登の白菊 特別純米原酒 八反錦 27BY★★
そこそこマイルド、食中酒としてバランス良し。思いのほかすっきりしてた。(メモ紛失につき感想が適当)
 
辰泉 純米吟醸 京の華1号 生★★☆
埃っぽいような枯れた立ち香。甘みはそこそこでヨーグリーナ的な透明感のある乳酸ぽい酸と旨みがすぐにくる。そのままじんわり酸が退けて旨みが残る。ごく弱い苦みとともにキレ。甘酸系といえばそうなのだが、独特過ぎてうまく表現できないな。コーラスウォーターとかアンバサとかにも通ずるものがある。
 
木曽檜 本醸造★★
長野のお土産でもらった田舎酒。一杯目は正直美味くも不味くもなく、あー田舎の本醸造ってこんなだよね、という感じだったんだが、なぜか飲み進めていくうちに旨みが乗ってきて(温度か?)気づけば数種類あった酒のうち一番消費が早かった。つまみも何にでもあうんだよね。出来のいい本醸造でよくあるんだけど、なんでしょうね、この感じ。燗つけると丸みがでて旨みがぐっと前に。悔しいけどこれ旨いわ。
 
ル・サケ・ナチュレル 2016★★☆
マイ・フェイバリットの一つであるソガ・ペール・エフィスの小布施ワイナリー産ですね。頒布会で買った90%磨きの変態酒がなぜか実家の冷蔵庫に眠っていた。今年春のリリースなので半年強寝かせたことになるが、もともと旨みの塊のような酒なこともあり、生だが熟成による変化は大きくないと思われる。立ち香は濃醇さを予想させる乳酸系で、含むと骨太な甘みと酸がやってくる。ただ、不思議と甘すぎない。蜂蜜のような凝縮した旨みがやってきて余韻を残しながら切れていく。やっぱすげえ酒だわ。
 
雪の茅舎 荒走 生★★
軽めの立ち香、ほんわりした甘み、程よい酸。フレッシュさはそこまで感じないが、ごく軽い苦味を伴った複雑な味わいはあらばしりならではか。
 
コンビニでも売っているメジャーな酒で、それだけにこれまでは食指が動かなかったが今回200mlのカップを見つけたのでお試しで買ってみた次第。実際、飲んでみてもアル添の嫌な感じはずいぶんあるし、いわゆる安酒の域は出ていない。驚くような旨さは求めるべくもない。ただ、なぜか嫌いになれない味わい。基本、すっきり系淡麗で酸が立っており食中酒としては悪くない。で、燗をつけてみてわかった。軽さの中にも柔らかでしっかりした旨みが備わっており、キレが素晴らしい。この落ち着きと安定感はすごい。結局おっさんがこのあたりの酒に落ち着くのはわかる気がする。
 
辰泉 純米山廃仕込み★★
ほんのり甘やかで乳酸の先読みもできる立ち香。含むと甘さは控えめでしっかりした酸と幅のある旨み。ほんの少しだけフルーティな余韻。燗にすると丸みがでて旨みがぐっと前に出る。開栓直後よりも2日目、3日目と時間が経つにつれどんどん良くなっていく。地味ながらじんわりいい酒。
 
豊国 本醸造 生★★
某ブログで絶賛されていたためずっと気になっていた銘柄。店で純米吟醸と純米を試飲した限りだと、どちらもちょっと甘みが濃厚で重たかったので、フレッシュな酸とほどよい軽さがある本醸造をチョイス。立ち香は軽くフローラルな芳香。ゆっくりしたアタックから柔らかな甘み。そこから酸と同化した凝縮性のある旨みに。そこそこの苦みを伴って潔くキレ。アル添らしい軽快さと生のフレッシュ感を併せ持っているためスイスイ飲んでしまうがアルコール度は18なので割と危険物。ぬる燗で甘みがぐっと前に出るうえ角が取れ苦味も軽減、全体の調和が増す。抜群に燗上がりするというわけではないが、冷酒とともにそれぞれ良さがある。
 
ワンカップ大関 純米にごり★★
これ、なかなか売ってないんだよね。初めて飲みます。蓋を取るとまず酸を感じる立ち香。重たい口当たり、そこそこ濃厚な甘みからふくよかな旨みに。ほどほどにフルーティさを感じる酸もある。雑味は全くなくきれいにキレていく。安酒にありがちなぼってりしたクセのある重さもないし、これは正直悪くない。アルコール度数が11~12度というのもいい。それほど味わいに変化はないが、燗も悪くない。
 
小夜衣 特別純米 誉富士★★
白隠正宗と杉錦に並ぶ、静岡だけど静岡酒らしからぬ骨太系の銘柄。常温。乳酸の先読みがある立ち香。含むとそこそこの甘みとともにすぐにキュートな酸。じわーっと広がる豊かな旨み。そのままゆっくり余韻を残しながらキレていく。思ったほど骨太すぎず、ほどよい爽やかさをもっていて良いバランス。ここまででも充分旨かったけどぬる燗でさらに化けた。乳酸感のある立ち香が強調され、含むと丸みのある甘み。そのまま旨みが広がりグっと下降曲線を描いてキレる。これは燗映えするわ。旨い。
 
会津娘 特別本醸造★★
香りはほぼない。甘みも非常に弱くてドライ。そこそこの旨みと若干のアル添ぽさ。正直、地味すぎるくらい地味な酒だが異常にバランスがいい。なぜか杯が進んでしまう。食い物と合わせたら甘みがでてきてさらに進んだ。なんだろうこれ。ここでもまた出来の良い本醸造マジックか。
 
天明 中取り零号★★
瑞穂黄金という聞いたことない米を使用した新酒。わかりやすくうまい酒で初心者にも上級者にもおすすめできる。立ち香は軽いイソアミル。すっきりとした甘み、程よい酸と旨み。キレも良い。特徴らしい特徴はないが、フレッシュで非常に飲みやすくレベルが高い酒と言える。
 
山本 深蒼 Midnight Blue 純米吟醸生原酒★★
これもまたフレッシュでわかりやすく旨い酒。しぼりたての生酒なので当然ではあるけど、まあ山本は外しませんよね。ピリピリした発泡感とそこそこの甘み、旨みもバランスよく出ている。ジューシーでキレ良し。肩肘張らずにこういうマニアックじゃない分かりやすい酒を素直に楽しめるようになってきた。
 
澤屋まつもと 純米 2014BY★★
山田錦。かなり独特な3年熟成。立ち香はタンス?結構クセがあるので好みがわかれるところか。店主はグリーン系?と言っていたがなんとなくわかる。発泡感もまだ残っており程よい甘みからどっしりした旨みに。そのまま余韻が残る。奥行きが深い。熟成感自体はない。今まであまり飲んだことのないタイプ。温度が上がるとまろやかになってくる。

CHAI「N.E.O.」に見るコンプレックスの二重構造


CHAI『N.E.O.』Official Music Video

一見、美醜という基準ではなく個性をもっと認めて「みんな違ってみんないい」という価値観を持とうよ!と言っているように思える。いわゆる多様性、ダイバーシティだ。しかし、何かのインタビューでぽろっと放たれた「私らって中の下だし、いや下の下かな」という言葉。これは何を意味するのか。

彼女たちは美醜のヒエラルキーを否定しているように見えて、実はそのステージから降りていないのだ。本質的に美醜で評価される社会自体を否定するのであれば自分たちをランク付けしたりしない。中の下とランク付けする(あとから謙遜して下の下と言い換えはしたが)ということは、そのヒエラルキーにどっぷり浸かっていると自ら認めていることになる。

本当に個性を尊重するのであれば、美人であろうがブサイクであろうが同じように社会のあり方を糾弾するはずである。失礼な言い方だが、もし彼女らが既存の美醜の価値観において「美」の側、つまり顔の良さをもてはやされるような存在であったなら、そこで満足してしまいこの曲は生まれなかっただろう。この曲だけでなくアルバム「PINK」の随所で現れるルックスに対する劣等感。彼女らがこれまでの人生でそれによって悩み、苦しみ、傷ついてきたことは容易に想像できる。

ルックスの劣等感を克服する方法はいくつかある。整形して世間の評価を得る、まったく気にしないマインドを育てる、社会のありよう自体を変えようとする、各自の個性を尊重するなど。正直に言って最後の「個性を尊重する」なんてのは、表現としてはもっとも陳腐でつまらない。残念ながら「N.E.O」において彼女らはそれを選んだようにも思える。しかし、そこに至る出自はそんなに素直なものじゃなく、明らかに歪んでいる。「私はブスじゃない!むしろカワイイんだ!お前らもそう思え!私を褒めろ!」そんな厚かましささえ感じる思いがくすぶっているのである。

「NEOカワイイ」とは「カワイイ」の価値観の再定義に他ならない。今までは大きな目が、高い鼻が、細い脚が「カワイイ」だったが、これからはその逆こそが「カワイイ」のだ。「NEO」と言ってしまっている以上、これまでの価値観も肯定して全てを認めることにはならない。全ての個性を尊重するのではなく、あくまで既成の価値基準をひっくり返して、自分がヒエラルキーの上位に立とうとしているのである。そこからは世間的に美人と言われてきた人間に対する怨讐さえ感じられる。

これはコンプレックスまみれの人間が陥りがちな論理のすり替えだが、恐らく本人たちもそこに気付いてはいない。個性や多様性の尊重を謳っているのは本心からだろう。しかし、根底にあるのはやはり劣等感であり、自己肯定感の低さである。自分に自信がない、認めてほしい、カワイイって言ってほしい。だけど、自分たちなんかがそんなことを言ったら図々しいって思われて嫌われるかもしれないから、私たちも含めた全ての人間が認められるような理屈を見つけよう。そんな論理展開が無意識のうちに行われたのではないだろうか。

彼女らはこの主張をリスナーに向けているようで、自分たちに向けている。「みんな違ってみんないい」と自分たちに言い聞かせることで居場所を得ようとしている。でも、人間なんてだいたい何らかの劣等感に悩み、なんとか折り合いをつけながら生きている。個性を尊重すべし、なんてことは言われなくても分かってる。それを他人に教唆するなんてのはおこがましい。だけど自分を守るためにそう言わずにはいられない。結局、褒めて欲しいのは自分であって、他人はそのオマケにすぎない。

そうだとすれば彼女らは実に青臭い。若い。だがそこがいいのだ。一見明るくあっけらかんとした佇まいの裏から透けて見えるコンプレックスに対する叫び。まるでブルースだ。いや、パンクか?とにかくそれがCSSやESGを彷彿とさせる粗くファンキーな演奏に乗る。なんだかんだ言っても、この攻撃的でノー・ウェイブ的なサウンドこそ、彼女らが羊の皮をかぶった狼である証左だ。リスナーはこの音から、その歪んだ主張の裏側を感覚的に嗅ぎ取って、共感するのである。

 

PINK※CDのみ

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