2017年10月に飲んだ日本酒

友人宅での日本酒飲み会用に気合い入れて選んだ3本が全部60点くらいだった。悲しい。
 
ひやおろしが最高だったのでそれを狙ってたんだが、店には通年バージョンしかなかったので、それ買ったらイマイチだった。
②3年熟成が最高だったが、店には28BYしかなかったのでそれ買ったらイマイチだった。
③通常バージョンと間違えて発泡にごりを買ってしまいイマイチだった。(ラベルが非常に似てる)
 
今回は冒険せずに過去美味かったのをチョイスするつもりだったのに、結果的には微妙に異なるものを買ってしまい、どれも外すという悲劇。日本酒は繊細です。銘柄が同じでもスペックや状態を妥協しちゃいけないということを改めて痛感しました。
 
志太泉 純米 ひやおろし★★
香りは穏やかでスローなアタック。上品な甘みからやや硬めの旨みに移行。若干の辛さがある冷やおろしの熟成感は全く感じず、スムーズで洗練されている。
 
磐城壽 純米しぼりたて生酒 かどやSP 雄町 ★★
全く同じものを先月も飲んでいるが、飲む店(=管理)が違うと味にどれだけ差が出るのか検証したくて頼んでみた。まずは発泡感とフルーティさ。甘み強めだがキレもバランスも良くてかなり良い造り。旨みもしっかり乗っている。最後に若干の心地よい苦み。うーむ、前回とは若干印象が異なるがやっぱり美味いのは変わらず。これはいい酒です。
 
磐城壽 純米しぼりたて生酒 かどやSP 26BY 出羽燦々★★
磐城壽 純米しぼりたて生酒 かどやSP 27BY 雄町★★
磐城壽 純米しぼりたて生酒 かどやSP 28BY 雄町★★
そしてまたまた別の飲み屋で見つけたので、つい。28BYのみ6号酵母でその他は不明。大きな差は感じなかったけどやっぱ垂直飲みは楽しい。26がやや旨みが育ってて余韻が長かったけど、熟感はほぼなかった。28は比較するとややフレッシュで26ほどの深みはないかも。27はその中間といったところか。まあ、似たか寄ったかではある。このスペック、今期3回目だけど何回飲んでも美味いね。生感がもう少し抑えられたら最高なんだけど、そこは好みの問題。
 
大黒正宗 吟醸生酒★★
神戸の全く知らない酒蔵。夢錦使用。立ち香はやや草。少しだけ南国風の甘みと含み香が強いが悪くはない。旨みふくよかでキレ良し。アル添の嫌味は全くない。これもかどやの扱いとのこと。やるな。
 
松尾 斑尾 2016BY Vol.1 Goldラベル★★☆
軽くイソアミルな立ち香。ほんのり熟成感があり、かなりバランスがいい。フルーティさもあるが食中酒的でもある。甘みはやや軽く、旨みと酸がちょうどいい塩梅。アフターで若干の苦味。不思議とたくさん飲みたくなる。やっぱバランスの良さなのかな。
 
瀧自慢 大吟醸 生 9BY ★★
20年の生熟成。熟香は当然のようにあるが生老ねは全くなく割と飲める。意外に甘みが強く、大吟醸らしい軽さと後口の滑らかさにアル添の良さが出ている。
 
宗玄 大吟醸 4BY★★☆
お次は25年熟成。これも当然のように熟成香はあるが老ねは全くなくうまく熟している。甘みと旨みも強めでちゃんと乗っていてバランス良し。後半は軽くキレもいい。さすがは宗玄。
 
都内ではスーパー御用達の銘柄なので正直ナメてたけど美味いわ。バニラリーな立ち香。含むとほんのり熟感を感じるほどほどの甘み。意外にも味幅のある旨みと比較的強めの酸の後、辛みがやってくる。食中酒としてかなり優秀。熟成もそれなりに行けそうなので試してみよう。
 
鏡山 ひやおろし★★
乳酸を感じる立ち香。強い甘みとバランスのいい旨み、軽い熟成。無難ではあるが安定感は間違いない。
 
黒松仙穣 こんな夜に… 26BY★★☆
53度の燗。甘みそこそこで最高の旨み。キレもいい。かなり良い印象だったがかなり酔ってたのであんまりはっきり思い出せない…
 
五橋 96 白麹 ★★
でました精米歩合96%の変態酒。去年存在を知って以来ずっと出てくるのを待ってたんだよ。やや草っぽい立ち香。思いのほか軽めのアタックからすぐに酸を伴ったジューシーで濃醇な甘み。コク。最後、白麹の酸が引き取って軽快にキレと見せかけてじんわり上品な甘みが余韻として残る。これは面白いしインパクト強い。ちなみに燗は生感増して向いてない。二日目はちょっとメリハリがなくなって凡庸な甘い酒に落ちたかも。
 
富久長 超ひやおろし吟醸 秋櫻  2年熟成(2015BY) ★★☆
軽く甘みを予感させる立ち香。含むと想像通りのライトなタッチ。このあたりは富久長 らしさか。旨みはきれいでスムーズ。エレガントにキレ。熟味も軽くあり。これ、熟成してなかったら物足りなかったんだろうな。ほどよく角が取れて旨みが育っている印象。かなり好きなタイプ。今後、この手の軽い酒の熟成をもうちょっと追及してみたい。
 
媛一会 無濾過 純米吟醸 瓶火入 夏越酒★★
松山三井60%磨き。バニラリーでアルコールを感じる立ち香。案外旨みはすっきりして酸が強め。これは燗上がりしそう。というわけで51度に。思ったほど旨みは伸びてこないが悪くない。燗冷ましで甘みが少し前に出てきてなかなかいい感じ。
 
イットキー★★
名前が文法的にありえない英語なので非常に気持ち悪いが、それはそれとしてかなり個性的な味わい。アルコール分が12%で軽やかなのかなと思いきや、とろみのある液性で甘みも酸も濃厚。日本酒度-40. 酸度4.6で完全に変態酒の領域だがボディ自体は重くないので一口二口で飽きるということもない。しかしどっかで飲んだことある味わいだと思ったら、福千歳のPURE RICE WINEだ。大枠としてはあれにかなり似てる。PURE RICE WINEの酸を少し弱めて、全体的に軽めにしたらイットキーになる。
 
十六代九郎右衛門 播州愛山 ver.秋 vol.1 27BY★★☆
火入れ1年熟成。立ち香は柔らかく心地よいバナナ?フローラル?甘みはぽっちゃりとして強め、きれいな曲線を描いて蕩けるような旨みがやってくる。酸の通奏低音が全体を締めている。常温だとアフターでややアルコール感が鼻に抜ける。全体的に濃醇ではあるが、決して重すぎず、むしろ芯の抜けた軽やかささえ感じる。文句なしに美味い。
 
篠峯 ろくまる 雄町 純米吟醸 無濾過生酒 晩秋旨酒★★
ほどほどのカプロン。微かに発泡感。甘みは上品で旨みもきれいに乗っている。篠峯らしいソリッドさとミネラル感、キレ。もう1年熟成させても全然いけるな、これは。
 
蒼空 純米酒 ひやおろし 美山錦★★
最近好きな蒼空。軽さと雑味のなさ、スムーズさがエレガントでいいんだよな。出過ぎず程よく控えめな、いうなれば京都らしいはんなり感が素晴らしい。さて立ち香はイソアミルで期待通り軽めの甘み。わずかに丸みを帯びた口当たりからスムーズに嚥下まで辿り着く。蒼空にしてはややモサっとした部分がないでもないが、それは精米歩合60%だからある程度仕方ないか。

2017年9月に飲んだ日本酒

今年に入ってから恒常的に週末に飲みすぎてて体型が崩れてきました…若干飲む総量を減らしにかかってます。ほんとに若干だけど。
 
萩の露 里山 あらばしり★★☆
あまり強いのは好きじゃないカプロンの立ち香だが、これは心地よい程度。含みでガス。ほどほどの甘みと酸味。旨みは上品で、全体的に端正。確かに濁りであることを感じさせる後口。萩の露らしい丸みや膨らみはそこまで感じなかったが、シャープすぎるわけでもなく、いいバランス。
 
磐城寿 純米 雄町 しぼりたて生酒 かどやSP ★★
魚に合うといわれ、雑誌などではよく見かける銘柄だが初飲み。立ち香も含み香も予想外にフルーティ。生のフレッシュ感もある。若干甘みが強めだが下品な味の出方はしていない。旨みへの移行がスムーズ。特に問題を感じるレベルではないが、やや酸が足りないか。 大阪のかどや酒店のプライベートブランドなのでこの銘柄の典型的な味わいではないのだと思う。次は定番酒を飲んでみたい。
 
七ロ万 25BY ★★
-5℃氷温熟成。立ち香は極小。ロ万らしい柔らかなアタックと弱めの酸。旨みの捌けも良くてとにかく軽い。熟香・熟味もそれなりにあるが、かなりきれいに熟成しているため野暮ったさはなく完成度高い。
 
ロ万 火入れ原酒P 25BY★★☆
ロ万の「P」?全く聞いたことないな、と思ったらこの年にだけ造った、かどや酒店のPBらしい。店の冷蔵庫で4年近く寝かせていたとのこと。これもロ万独特の柔らかさ。ただ、こっちは七ロ万よりもっちり感があって軽くはないが重いというわけでもない。控えめに熟成感もあり、すーっと体に馴染む。しかし、同じ年数を-5度と+3~5度で貯蔵したものを比べて前者の方が熟感強いというのは面白い現象。まあ、造りの差は多分に影響してるんだろうけど。
 
ど辛 生 ★★
定番のど辛に生!?これは珍しいということでホイホイ購入。基本、秋田県内のみの流通商品で都内では池袋の升新商店のみが取り扱いとのこと。味はガスからの微かな甘みと生らしいフルーティな含み香。締まりのある旨みからスッパリ切れる。このキレは素晴らしい。もともとフルーティさを内包する酒だが、生にすることでそこがより強調されている。二日目、若干アタックがまろやかになったか。
 
初孫 生酛純米27BY★★☆
常温自家熟成シリーズ。 スーパーで安売りしてたのを買って1年置いてみたけど まあ、失敗しようのないスペックだよね。予想通りにまろやかなアタック、思ったより感じる甘み、軽い熟味、腰の強い旨み。生酛らしい深み。燗もばっちりはまる。ただ、常温でも充分旨いので燗専用というほどでもない。同じく自家熟成させた刈穂や天の戸とかなりキャラクターが似てるのが不思議。
 
伯楽星 特別純米 ひやおろし★★★
立ち香はほどよくカプロン。柔らかで上品な甘みからフレッシュ&フルーティな含み香を伴った、ふくよかな甘みに移行する。最初の含みでこれだけ立体感があるのは面白い。旨みも酸もキレイに出ている。最後は軽い苦みで締める。軽すぎず重すぎずエレガントさがあって、今ちょうど飲みたいタイプの酒かも。
 
吟望 天青 純米 秋あがり★★
おりがらみ。五百万石。ここのところよく飲んでる天青だが、これは期待と少し違った。天青というと酸がシャープですっきりしたイメージが強いが、これはいわゆる純米系のひやおろしの典型的な味わいだった。アルコールを感じる立ち香、柔らかい甘み、旨みも十分乗ってて美味い。ただ、アフターでやってくるアルコール感が喉を攻めてくる。常温だからかな。冷酒のほうが良かったかも。もしくはぬる燗。
 
車坂 秋あがり純米吟醸★★
イソアミルな立ち香。いい意味で車坂らしくない軽さ、柔らかさもある。キレもいいし、日本酒慣れして定番の純米とか普通酒しか飲まなくなったような玄人(おっさん)好みの安定した味わい。とにかく優しくて軽い。
 
秋鹿 多酸 純米生原酒 2015年上槽 ★★
28号酵母山田錦70%精米、日本酒度-11、酸度3.8。昨年も飲んでいるが隔年でしか作らない酒なので、今買えるものは必然的に2年弱の生熟ということになる。ほんのり乳酸っぽい立ち香。ヨーグリーナ的な甘さとその名に違わぬ強めの酸味。やわらかい旨み。甘酸系の代表のような味わいでわかりやすい。昨年のものに比べるとフレッシュ感は後退して、やや酸にまろやかさと落ち着きがでてきたか。また、若干の生老ねがあるが、ここは好みが分かれるところかもしれない。個人的にはこのくらいの老ねはむしろ歓迎。冷酒がベストだが案外燗も悪くない。常温が一番中途半端。
 
丹沢山 秋麗  純米★★☆
阿波山田錦60%。古米を使っているとのこと。丹沢山というともっと辛口にキレるイメージだが、これは結構甘くてもっちり系。ただ、全体のバランスの良さや柔らかさは、この銘柄らしさを感じる。若干アルコールっぽい立ち香で含むとまず柔らかい甘み。ただ、それもすっと退けていくので全く嫌味ではない。そのあと多少鼻に抜けるアルコール感を伴って旨みが全体をまとめる。やや熟感を纏った後口が次の一杯を促す。燗では甘みが増す。常温でも燗でもどちらもいける。
 
若水55%。膨らみ、まとまり、キレ。これぞ丹沢山。ほどほどの甘さと控えめな旨み。キレもいいのでいくらでも飲めてしまう。そこそこ磨いてるのですっきりしてる。酸もあるし、ちょっと麗峰と飲みくらべしたいなこれは。常温も悪くないが40~50℃の燗でさらに実力を発揮。
 
日本響 純米吟醸 山田錦★★
山形の東光の蔵が平成8年に創業400年を記念して戦前に使っていた銘柄名を復活させたとか。軽いイソアミルの香り、甘みはそこそこ、熟感のある旨み。アフターで弱い渋みと苦み。濃醇というほどではないが、味わいがしっかりしている東光っぽさも感じることができる。
 
中田屋 純米吟醸55★★☆
美山錦。最近ちらほら見かける埼玉は越生の銘柄。柔らかい立ち香。含みは軽く、中盤で柔らかな乳酸系の旨み。細いながら酸はしっかりあるので輪郭もくっきり。切れもよし。とにかく全体的に軽いが不思議と物足りなさはない。
 
雁木 ひとつび★★☆
立ち香はほぼない。落ち着いた甘みとバランスのいい旨み。酸の下支えもしっかり。重くもなく軽くもない。非常に飲みやすい。雁木といえば無濾過生原酒がフラッグシップだと思うが、個人的には落ち着きと安心感がある火入れのほうが好き。燗にすると甘みが増しさらに飲みやすくなる。鮮烈な印象はないがじんわり染みる安定感。ちなみに「ひとつび」は一回火入れという意味ではなく、これは二回火入れだと蔵の営業のおっちゃんに聞いたが、蔵のHPには一回火入れって書いてあるな…
 
水鳥記★★
初めて聞く宮城の銘柄。山田錦55%。ほどほどにフルーティな立ち香。甘みも旨みも上品でクリア。酸味は弱いがまろやかで賀茂錦の荷札酒を思い出した。キレで極小の渋みを伴うがそれほど気にはならない。飲みやすくはあるが、ちょっと単調なのでもう少し立体感がほしいところ。
 
七田 純米★★
七田は濃くて好みなので結構飲んでるが霊峰65%磨きのこのスペックは初めて。南国っぽい甘い熟成香。甘みも期待に違わず濃醇だがフルーティで悪い癖はない。酸もそれなりにあってフルーティさを助長する。旨みもよく乗ってて美味い。アフターでやや苦み。量を飲むと少しくどいかも。
 
旭鳳 純米吟醸 生 泰平★★
八反錦60%、香り弱いながらも洋梨っぽさがある。軽い甘みにスムーズな旨み。多少の渋みと辛さ。アル感もあるが全体的にはよく出来ていてソツなくまとまっている。八反錦の特徴である、いい意味でのソリッドさと軽さが素敵。なんだろう、派手さはないけど不思議とまた飲みたいと思わせる何かがある。
 
誉国光 菩提酛×山廃酛 純米吟醸★★
日本酒度-5 酸度1.6 米不明 精米60%。菩提酛×山廃酛のハイブリッド酒母を使うという変態酒ハンター垂涎の珍しい製法。ゴリゴリの骨太酒かと思いきや味わいは案外わかりやすく、むしろ若者好みの雰囲気さえある。ほのかにバニラリーな立ち香、やさしいアタックから丸い甘みとフルーティな含み香。そのあとの酸がややゴツっとした粗めのテクスチュアなのが山廃らしさと言えるだろうか。ただ、決して酸が強すぎるということはなく、バランスはいい。旨みも強すぎず極々わずかな苦味を伴ってキレる。燗も悪くない。酸が若干丸くなる。二日目以降、若干バランス崩れる。ほんの少しだが苦味が出てちぐはぐになった。開けたての感じが持続すればもっと高評価だったんだが。
 
澤姫 生酛純米★★
とちぎ酒14という米を使用。乳酸の立ち香。マイルドな口当たり。そこそこの甘みの後、キリっとした強めの酸が。旨みは立ち香で感じたとおり乳酸系。かなり立体的で生酛らしい生酛と言える。酸がスパっと脂を切るので肉に合いそう。
 
悦凱陣 金比羅大芝居 11BY★★
山田錦50%。18年熟成にもかかわらず意外なほどフルーティなメロン吟醸香。甘みはすっきりで極軽い熟味がある。旨みは上品でかなりライト。添加したアルコールを感じるが、そこまで嫌味ではない。
 
風が吹く 山廃仕込純米吟醸生酒★★
モダン山廃といえばこの銘柄。メロンのような立ち香。アタックは基本柔らかいんだが、やや苦みを伴っているのが珍しい。そのまま軽い旨みがきれいに膨らみ静かに退けていく。酸は弱目だが足りないわけではない。オールドスクールなゴツゴツした山廃らしさは全くない。全体的にエレガントではあるんだが、前半から最後まで別のレールで苦味が並走しているよう。ここだけ調和がとれておらず非常に気になる。平杯からグラスに移すと多少マシになった。二日目は若干まとまりが出たか。
 
 

2017年8月に飲んだ日本酒

最近ちゃんと火入れ・加水した安い純米酒がピタっとくる。派手な無濾過生原酒はもういいや。どんどんおっさん化が進んでるな。

 

一博 うすにごり★★

先月、同銘柄の純米吟醸を開けてて、苦手な草っぽさがあってどうにもイマイチだったんだが、こっちは香りも味わいも全く違う。そこそこ甘みがあるし、草感もない。なんだこれ、こんなに変わるか。

 

流霞 純米生原酒★★

和歌山の蔵。全く知らなかった銘柄。乳酸っぽい立ち香。甘みは強めで濃醇。バランス良い。アフターが長い。好き。

 

泗水郷 佐倉 特別純米酒 山廃 無濾過生原酒★★☆

これまた全く知らなかった銘柄。 甘みは強めで濃醇。ほどよい苦み。山廃らしさは特に感じず。大変好み。

 

あべ 純米吟醸★★

五百万石55%、9号、うすにごり。フルーティな立ち香。ほんのり乳酸のニュアンスもある甘みがどわっと押し寄せる。酸がしっかりあるのでジューシーで、なおかつ軽い。リリースでややアルコールを感じるが特に気にはならない。

 

白岳仙 純米吟醸備前雄町 しずく取り 25BY★★☆

わずかな熟香。人懐っこい甘みから、それなりに熟れたチョコ感と旨みが。キレがいいと思わせておいて弱い余韻が長めに続く。非常に好きなタイプ。

 

国権 秋あがり 28BY★★☆

この時期のひやおろしはより寝かせが効いていいね。昨年秋リリースのものなので都合1年くらいか。上品で儚げなんだけどそれなりに強度はある甘み、舌の奥で軽い熟味を伴ったコクと酸を感じたまま苦味に変化する。俺、このくらいの軽い熟成された酒が一番好きかも。常温になると急に雑な感じになるので冷酒のほうがいい。常温を超えて40度くらいまで上げれば、これはこれでいい感じになる。ただそこまで燗上りするわけではない。

 

七田 山廃旨口純米★★☆

乳酸を感じる立ち香。旨口に典型的な濃い甘みとコクがググッとせまる。酸も骨格の核としてしっかりある。数年熟成させてるらしいが、チョコっぽさは皆無。まとまりは非常にある。非常に好きなタイプ。燗つけてもあまり印象変わらず。

 

山城屋 秋上がり28BY★★

これも去年のひやおろし山田錦50%。まず常温。フルーティな立ち香。リンゴ系。まろやかな口当たりとともにバランスのいい甘み。旨みは強すぎずきれいなエンベロープを描くが、その後急に鼻に抜けるややノイジーなアル感がきて極弱い苦みのあるフィニッシュに向かう。冷酒にすると後半の雑さは消える。燗もそれほど印象は変わらないがまとまりがでる。結論。常温は今一つ。三日目、アタックに柔らかさが加わり非常にいい感じ。全体的にもノイジーさが弱まった。

 

遊穂 あか 山おろし純米吟醸★★

夏酒カテゴリなんだがバーベキューやスタミナ食に合わせて夏に負けない濃い酒をという蔵元のどこかおかしい夏酒感が素敵。乳酸系の立ち香。含むと軽い甘みを感じ、すぐ濃醇に変化。この時点ではまだ旨みにたどり着いていない。この動きは面白いかも。そして乳酸感のある旨みに。多少のアル感とともにキレ。燗は生っぽさが強調されて今一つ。冷酒のほうが良かった。

 

遊穂 ゆうほのあお ★★

ちょっと生っぽさが気になる。赤と同じように燗より冷酒のほうが映える。

 

太平洋 純米 ★★

和歌山の銘柄だが全然知らなかった。クラシカルで男らしいラベルがなかなかそそる。冷酒はいまいち。甘みは弱く酸が立っているのでキレもいいんだが何かペラくて立体感に欠ける、いわゆる田舎酒にありがちな風情。しかしぬるめの燗をつけると化けた。調和が取れて深みが増す、決して今どきの日本酒ではないが飽きずにいくらでも飲める。最近こういうほうが好きになってきてるなあ。

 

東鶴 特別純米 雄町 生酛造り 28BY★★

1年熟成。もはや安定の東鶴らしさ。軽くフルーティで乳酸を感じる立ち香、含むと米っぽい甘みとスムーズで濃醇な旨み。酸っぱいわけではないが下支えとしての酸がしっかりあるのでダレない。フィニッシュは若干複雑で雑味があるが、まあ悪くない。ほんの少し、焦げっぽさも探そうと思えば探せる。ぬる燗でまろやかになりアル感が消えて酸が少し立つので飲みやすくなる。

 

福千歳 Pure Rice Wine ★★

ワイン酵母使用でコシヒカリ90%精米、日本酒度-25、酸度5、でも低アル(12度)で原酒という完璧に狂ったスペック。立ち香はごくわずかで乳酸系。含むと思いのほか丸みがあるが甘みは弱い。その後、ゴツめの酸が一気に主張する。若干の熟成感と乳酸も感じるがそのまま旨みを感じる間もなくすっと消える。後口は白ワインそっくり。日本酒なのにわざわざ白ワインに寄せる意味がわからん、という議論は置いといて、これはこれで面白い。ただ、温度が低すぎるとバランスが崩れ、ぼわーんとした旨みが増してブサイクになる。常温放置しても3日は平気だった。

 

野崎酒店 赤ラベル 純米吟醸 美郷錦仕込★★★

新橋の居酒屋、野崎酒店のプライベートブランド。「春霞」の栗林酒造が醸した美郷錦50%磨きの純米吟醸。立ち香は弱く、含むとシャープなアタックで甘みよりもビビッドな酸が主張。旨みはスリムながら薄っぺらさはなく凝縮感と足腰の強さがある。リリースでほのかな苦み。柑橘を思わせるジューシー美味酒。温度が上がると明らかにアタックが柔らかくなる。面白い。★3つにするか2.5にするか迷ったけど、おまけして3にします。

 

十旭日 純米原酒 改良雄町70 25BY★★

まずは常温。立ち香で熟成と強いアルコール度数をはっきりと感じ取れる。まろやかな甘みから強めの酸(酸度2.2)。焦げっぽさはまずまずあるが、嫌味ではなく整った熟成感。アルコール度数が20度近くあるようなのでさすがに嚥下時クワっと喉に焼けつく。引けでそれなりの苦み。全体的に雄町らしい太さと芳醇さがある。45度ほどで燗をつけるが意外に印象変わらず。ただ、燗冷ましでアルコールが若干飛ぶためかアフターは飲みやすくなる。少しだけ割り水するとバランスが整い不思議とまろやかさも増す。これは割り水燗が正解。

 

辨天娘 山廃純米 玉栄 26BY★★

外飲みでは何度か飲んでる辨天娘だが、ちゃんと向き合うのは初めて。これまではいずれも冷酒だったのでこの銘柄のポテンシャルは理解できていないはず。実際、いずれもピンときてなかったし。さて、まずは常温。山廃独特の酸と意外に軽い旨み。ただ、軽いだけではなくエンベロープが長く続く。キレではアル感がきてすっと退ける。完全発酵の鳥取酒らしい味わいではある。45℃、全体的にふくよかさが増す。割と表に出ていた酸が下支えに回る。60℃近くまで上げると今度は辛みと酸が強くなり旨みも抜けてしまう。そういえばこれ、3年熟成じゃないか。熟感全くないな。新酒は硬くて飲めたもんじゃないって何かで読んだけど納得。

 

カネ中 家伝造り 生酛純米 23BY ★★☆

近所の酒店のバックビンテージ。平たく言うと売れ残り。いつもながら濃醇で最高。濃い目の食べ物と合わせるとさらに映える。熟成によるチョコっぽさはほとんどない。カネ中は熟成させたほうが絶対美味い。

 

乾坤一 特別純米辛口 ★★

この蔵の顔ともいえるササニシキ使用の定番酒。かなりメジャーだが実はこのスペックは今回初飲み。香りは弱く、含んだ際の甘みも控えめ。酸が効いてるのですっきりしてる。確かに辛いのでスッキリ辛い食中酒を求める向きには最適だろう。旨みが出すぎてないところが飽きの来ない一因になっている。燗も悪くない。50度くらいまで上げると酸が立ちすぎるが、燗冷ましで35℃くらいになるとまとまる。イメージ通り、地味な晩酌用の酒であることは間違いないが、最近そういう酒が好きになってきてるので、ちょうどよかった。
 
天穏 純米吟醸 改良雄町 21BY ★★
香りは弱い。甘み控えめだが含み香はほんのりフルーティ。旨みは軽い。後口で苦みと極小の熟成味を探せる。そこそこ端正で8年近く寝てたとは思えない。まとまりがあっていい酒。常温のほうが美味いかも。
 
山形正宗 実験醸造 2016★★
白麹を使った1年生熟。バニラリーな立ち香。含むと老ねなのかちょっと不思議なクセがあるが不快ではない。なんとなく蔵粋を思い出した。甘酸系で旨みも乗っていて、ちょっとだけある癖が面白い酒。
 
澤屋まつもと 守破離 no title 生 ★★
山田錦。香りはそこそこフルーティ。甘みも旨みも軽くて上品ながら生らしいパンチも感じる。酸も効いている。とにかくバランス良くてウェルメイド。ただ、以前に飲んだ火入れのほうがインパクト強かったな。これはこれで美味いんだけど、鮮烈というほどではない。恐らく、前回は口開けから間もなかったため、ガスがあってフレッシュ感が強かったのと、火入れだったので生のもったり感がなくスッキリしていたのが影響しているか。
 
天明 焔 2017 ★★
山廃で山田錦26%五百万石73%。常温。立ち香は若干の草。そこそこの甘み。中盤で程よい熟成感と旨み。酸の下支えもありジューシー。濃醇。最後のアル感が少し邪魔。

 

 

2017年7月に飲んだ日本酒

今年はやけにいい夏酒に当たる。夏酒バカにしてたけど考えを改めねば。

 

天の戸 まる燗 生酛★★
ほんのり乳酸系の立ち香。そこそこの甘みとバランスのとれた酸。燗向けと銘打っているだけあって旨みもちょうどいい。悪く言えば中庸だが基礎レベルが高いのでそれで済ますのはちょっと違う。熱燗だと酸が前に出てきてふくよかさが失われる。冷やも悪くないが35度くらいの人肌燗が丸みと酸が調和してちょうどいい。

 

日輪田 山廃純米酒 ひまわり★★☆
五百万石。軽いカプロンの後、濃厚な甘みと程よい酸。旨みはスムーズに過ぎてフィニッシュで軽い苦み。完全に甘口なんだけど最後の苦みがオレンジピールのようで面白い。とても好み。

 

山和 特別純米 中取り原酒 ROCK★★
軽い甘み、強めの酸(酸度1.8)、程よい辛み。旨みは強すぎずバランス良い。雑味なく骨格がしっかりしてる。酒だけでも充分楽しめるが、辛みと酸のおかげで食事に非常に合わせやすい。

 

千峰 天青 純米吟醸★★
基本的に爽酒は苦手なので避けてきたが、今飲むとこれはいいなあ。以前に澤の花ひまりを飲んだ時のような好感触。濃くはないが物足りなさもない。すっきりしていながら適度な広がりもある。洗練、というのとは少し違うが、この透明感と厚みのバランスは非常に良い。しかし、日本酒飲み始めのころは濃醇一辺倒だったため全く引っかからなかった銘柄だが、ここにきてこの手の酒の良さも分かるようになってきた。結局バランスなのかな。今度は燗つけたい。

 

風の森 愛山 純米笊籬採り ★★
愛山のイカッキーは珍しい。風の森らしい発泡感、無濾過生のジューシーさが存分に味わえる。ラストの旨みの余韻が長すぎて若干うるさいか。

 

能登の白菊 そのまんま ★★
穏やかだがシャープな立ち香。口当たり柔らかく優しい甘み。そのまま芳醇な旨みが広がる。含み香でやや草っぽいムレ香を感じる。また、最後まで上品さを突き通してほしかったのだが、キレでやや雑に感じるところもあるのが残念。燗は生ムレ香が増幅されるので今一つ。冷酒~常温がベスト。

 

ど辛★★
これまでも数回飲んでおり今さらベタなチョイスだが、やけに今回はうまく感じた。これも天青と同じことか。含むとややフルーティさを感じ、ソリッドな旨みとともにバシっとキレる。辛みはほとんど感じない。しかし最初の含みがこんなにモダンな感じだったっけ?

 

日置桜 強力26BY★★
トラディショナル&スタンダードながら、家飲みでちゃんと向き合うのは初めて。日本酒度+14、酸度1.9。数値はなかなかのエクストリーム。まず常温。完全発酵らしい癖のある強い旨み。程よい酸も伴っている。苦味とともにキレ。55度の飛び切り燗、含みから旨みへの移行がスムーズになる。全体の印象は大きく変わらないが調和が増すので間違いなく燗に軍配。さらに温度を上げてみる。70度くらいまで上げても全く崩れないのはさすが。これは温度高いほうがいいかも。燗冷ましでより柔らかくまろやかに。いろいろ試した結果、70度→40~35度の燗冷ましがベスト。なお、26BYだが熟味は全く感じない。

 

早春 夏のブーリュ★★☆
うすにごり。薄っぺらい夏酒が多い中、これは非常によくできてる。マスカットっぽい風味。甘みは控えめでさらりとしてる。旨みは上品ですっと退ける。にごりのおかげなのか全体的にスムーズな印象。

 

蜻蛉 純米にごり酒 青とんぼ ★★
若波の蔵ですね。程よい甘みにくっきりした酸。旨みは上品で軽い苦みを伴って切れる。驚きはないがよくできた夏酒。

 

長陽福娘 山田錦 直汲み夏吟醸★★☆
磨きは50%。立ち香は爽やかなラムネ。口開けはさすがの発泡感。含みはドライで旨みはやや強め、スパっとキレ。キリっとした酸と相まって柑橘感がある。アル添のぼやけは一切感じず、むしろこの銘柄らしいソリッド感としっかりした骨格がある。

 

十六代九郎右衛門 十三度台 低アル生原酒★★
香り柔らかで優しい甘み。旨みは厚すぎず、酸が締める。軽くて飲みやすい。これもまた良き夏酒。

 

蒼空 SOOKUU 純米 美山錦生★★
強めのカプロン。甘みはシャープでほんのり乳酸っぽい旨みを感じた後、また甘みが戻ってくる。きっちり酸も足りていて美味し。

 

天の戸 純米カップ 27BY★★☆
1年常温熟成。またしても自家熟成の成功例。まず甘やかでバニラリーな立ち香。優しい甘さの後、すぐ軽い熟味を伴った太めの旨み。若干のアル感。複雑な余韻。後半はもう一歩で惜しいけど、前半のシルキーなまろやかさと広がりは非常に素晴らしい。最近は夏向けのシャープな酒が多かったから、なんかほっとするわ。ちなみにぬる燗にしてみたけど意外にアル感が増幅されて辛くなる。常温がベストかな。

 

千峰 天青 雄町★★
上で飲んだ天青がよかったので米違いにもチャレンジ。50%磨きで基本的に雄町らしくはないが、それでも香りの出し方などで雄町感はある。天青にしてみれば芳醇なほうなので、その意味ではこれが天青流の雄町の使い方なんだろうね。軽い甘みと上品な旨み、爽やかさとともに潔くキレる。好きなタイプ。

2017年6月に飲んだ日本酒

なぜか6月に飲んだ酒は一見燗上がりしそうなのに、案外常温や冷酒の方がうまいってパターンが多かったです。ある程度は酒の傾向から温度変化の予測が立てられるようになってきたかなあと思ってたけど、まだまだですね。結局試してみないとわからないことを再認識した月でした。

 

蓬莱泉 和 27BY★★
ちょうど一年常温で自家熟成させたもの。立ち香からふんわり熟成香。含むと丸くて優しい甘み。ただ、若干厚みが足りない。すぐに思いのほか存在感のある酸が追いつき軽い熟味を伴って手早くキレる。なかなか美味い。熟味自体はごくごく軽いエグみのようなものが内包されているので満点とまではいかないが、放置系熟成でこれなら充分でしょう。燗も悪くないが若干まとまりに欠けるか。燗冷ましのほうが酸がいい働きをして好み。冷酒だと苦味が顔を出す。燗冷ましがベストかな。


満寿泉 純米大吟醸 3BY★★☆
老ねや嫌味がなく25年熟成とはとても思えない。大吟醸だからかな。含みでの甘みは軽く、すぐにエレガントなんだけど力強くもある旨みが広がる。この味幅は逆に大吟醸らしくない。甘み、酸味、旨み、熟味のバランスが素晴らしい。そして最後は旨みの余韻が長めに続く。これは最高。

 

松の司 純米吟醸 27BY★★
安定のクオリティ。やはりこの銘柄は上手いし美味い。1年熟成だが熟味は皆無、逆に寝かせないものがどれだけ硬さや荒さが残っているのか飲んでみたい。(すっぱいわけではなく)輪郭を作る酸がしっかりしているので、くっきりと見通しが良い。甘酸旨のバランスが非常に良くメリハリがある、洗練されたオトナの味わい。今、一番飲みたいタイプの酒。

 

松の司 純米吟醸 28BY★☆
こっちは今年4月製造なのでこれで明らかな比較ができる。立ち香はほとんど感じない。含むと上品で微かな甘み嚥下時に酸と旨みが現れる。どことなくフルーティさも感じさせ、これはこれで悪くない気もするがどこか物足りない。旨いんだけど普通レベルというか。やはりこの子は少し熟成させたほうが実力を発揮できる気がする。現時点で粗さがあるわけではないんだけどね。熟成によって全体がピタっと調和するというか。

 

橘屋 特別純米 雄町 山廃 27BY★★
全然知らない銘柄。調べたら「黄金澤」の蔵なのね。キャラクターとしては松の司にも似たしっかり者。どちらかといえば濃醇でやや力強さがあるか。恐らく燗もいけそう。ちなみに山廃であることに気付いたのは後日ラベルの写真を見返したときだったのだが、逆に言うと典型的なクラシック山廃っぽいクセは目立っていなかったと思われる。ただ、この日は人と一緒だったのであまり細かいインプレッションを覚えていないんだよね…。もったいない。ちょっとこれは追うべき銘柄かもしれない。とりあえず「黄金澤」は近所の酒屋に扱いあるので手を出してみるか。

 

黄金澤 山廃純米 24BY ★★
基本的なキャラクターは橘屋と似ているが、より丸みがありすっきりしているか。これは熟成によるものかもしれない。全体的に落ち着きがありついつい杯を重ねてしまうタイプ。燗も良いが常温でも充分ポテンシャルを発揮できる。

 

松尾 荒瀬原 純米吟醸 27BY★★
1日目、香りはほとんどなく甘み弱い、重たい旨みを持っているが酸が足りないのでどうにも冴えない。田舎臭い黒龍みたいな。燗でも特に改善せず。2日目、化けました。立ち香ですでに乳酸を感じる。含むと案の定酸がぐっと出てきて全く別物のバランスに。俺の好きな山廃/生?の乳酸系に近い味わい。燗もまずまずだが旨みの中にある軽いエグ味が表に出てくるので常温がベター。

 

白鷹 特別純米 伊勢神宮御料酒★★
山田錦70%。大手酒蔵で有名銘柄にもかかわらず都内ではめったにお目にかかれないが、とあるスーパーで発見。500mlで700円という安さ。さあ味はどうか。まずは若干の乳酸を感じる立ち香。含むと割と甘みは強く乳酸系の旨みも濃醇。酸の輪郭がはっきりしてるので非常に好印象。後口が少々雑だが、まあ値段考えたら十分か。ぬる燗~上燗で丸みが増し、後口の雑味も弱くなる。燗冷ましで酸が増してさらに飲みやすく。これは熟成もいけそう。

 

水府自慢 10号 純米大吟醸★☆
日本酒マニアの間では、あの残草蓬莱/昇竜蓬莱の菊池杜氏が蔵を移って一発目の造りということで話題の酒。通常、蔵のやり方に慣れて本来の実力を発揮できるまで2~3年かかると言われるが、1年目は果たしてどんなもんか。ちなみにこれは初年度二造り目の酒になるもよう。
まずは立ち香。結構派手に香り、含むと分かりやすい甘さ。10号酵母といえば香りが強く出て酸は弱いらしいが、全然そんなことはなく、むしろ強めの酸がガツっと主張してくる。大吟醸でこのバランスはちょっと面白い。旨みもしっかりあるが、ここで若干大味になる印象はぬぐえない。とかくケレン味の強い酒だった。

 

刈穂 white label★★☆
ほのかに柑橘系の立ち香。白麹ってこととラベルの印象から勝手にシャープ系の酸っぱい酒を想像してたが、思っていたよりずっともっちりした甘みを持っている。そこに予想通り鮮烈な酸。旨みは控えめで、そのまま霧散するようにキレていく。アフターに残るごく軽い苦みも悪くない。後口にやや水っぽさというか物足りなさを感じるが、甘酸系の酒としては高いレベルにある。初心者にも玄人にもおすすめできる。

 

駒泉 吟醸純米無濾過生原酒★★
どしっとした甘みと太いコクが特徴的。このコクは何と表現すべきか。キャラメル?うーん、ちょっと違うか。アフターで心地よい苦み。酸は弱めだが輪郭は崩れていない。

 

帰山 純米 ★★
甘めで口当たり柔らか。乳酸とほどほどの旨みを感じる。キレもいいし好みです。酔っ払っててあんまり覚えてないけど。

 

麓井 生酛純米吟醸 山長 20BY★☆
燗で。含むと明らかな熟感。ほどよい甘みと酸。そのまま熟感持続しつつ軽めの旨み。温度が下がると少し苦味が出るか。

 

石鎚 純米吟醸 無濾過 中汲み H18BY★☆
山田錦50%。後口にこの酒らしい軽さはあるが、思いのほか甘みも太さもあってまとまりを感じる。良い熟成をしている。

 

2017年5月に飲んだ日本酒

5月は★★★出ました。それ以外も★★☆が6つとなかなかのヒット率。
ところで、以前はとにかく手当たり次第にいろんな種類の日本酒を飲みまくっていましたが、最近はある程度狙いを絞るようになってきたので、飲んだことがないものでもスルーすることが増えてきました。逆に以前飲んだことがあって、なんとなく良い印象を覚えてたらリピートして確かめることもしばしば。白地図を埋めるような絨毯爆撃的な飲み方をする時期は過ぎたのかもね。


米宗 山廃純米酒 無ろ過生 天然酵母・完全発酵★☆
立ち香はない。そこそこのアタックからすぐに酸を感じる。乳酸系の旨みと軽い苦みでフィニッシュ。若干のアルコール感もあり。温度が上がると旨みが増す。全体的に軽く、生らしいフレッシュ感はほとんどわからない。

天穏 無濾過生詰原酒 山廃純米 ひやおろし27BY★★
27BYをひやおろしとして去年の秋にリリース。さらにそのまま店で半年眠っていたのを購入。都合約1年ほどの熟成になる。米は特等雄町。ほんのわずかな柑橘っぽい立ち香。含むと優しい甘みと柔らかい酸がフェードイン、若干の乳酸を伴った旨みがやってきて弱い苦味が顔を出しながらゆっくりフェードアウト。少しアルコール感あり。ひやおろし+半年寝かせのわりに熟味はないが、熟成によるまとまりは感じる。雄町らしい濃醇で豊かな味わい。

萩の露 特別純米 十水仕込 雨垂れ石を穿つ 生★★☆
萩の露 は日本酒飲み始めのころ、まだ大吟醸とかフレッシュ&フルーティ系を好んでた時代に初めて飲んで、あれ?今までの好みと違うけど何かうまい、何これ不思議、と落ち着きのある豊かな味わいについつい杯を重ねてしまった記憶がある。その時のスペックは忘れました(特純とかだったかな?)が、銘柄としてはそれ以来なので楽しみ。
さて、含むと口当たりは柔らかく、ふくよかな甘みを感じる。濃醇で旨みたっぷり。熟成感も若干あるか。こう書くと山陰地方の燗酒っぽいのを想像するかもしれないが全然違う。きれいな酸が爽快感やフレッシュネスさえ感じさせる。大変好みです。これ、燗も試すべきだったなあ。

若駒 無濾過生原酒 愛山90 無加圧搾り ★★
(恐らく)この蔵でははじめての愛山。なのにいきなり90%磨きのチャレンジ酒造るってどういうことなの…変態なの…?しかし、美味ければそんなことはどうでもいい。立ち香はほのかなバナナ。含むと甘みは控えめで、どう考えても90%とは思えないスッキリ具合。柑橘っぽい酸もある。おりがらみらしい発泡感あり、なおかつ米の旨みも充分にでている。

鷹の夢 Concept No.ZERO★★
ドライ&シャープで酒屋の説明見る限り、此君とかに近いのかな?まず立ち香は意外にも比較的穏やか。しかし含むと強いカプロン系の香りがぐっとくる。甘みはスリムで酸強め。そこそこの旨みが広がり最後に結構な辛みと軽い苦みでバシっとキレ。喉にカーッとくるアルコール感もあり。この手のスリムな酒はこれまであんまり好きじゃなかったんだけど、これはなんか飲めるな。酸による輪郭がはっきりしてて立体的で、ただの淡麗ではなくバランスも良いからかな。ちなみに日本酒度は+15とあるが酒屋いわく本当は+10とのこと。どっちが本当でもいいんだけど。

長珍 新聞紙 純米 無濾過生 八反錦★★
新聞紙。八反らしいシャープで硬質なテクスチュア。フルーティな含み香。やや濃醇でさわやかな甘みと旨み。最後に軽い苦みがあるが、これは良い方向の苦味でこれによってまた杯を重ねたくなる。

長珍 新聞紙 純米 無濾過生 五百万石★★☆
八反よりもより濃醇で丸みがありバランスが良い。味のスパンがすごく短い。クっときてバシっと消える感じ。美味いっす。

秋鹿 雄町 生酛★★
約1年熟成。完全に燗上がりするタイプ。程よい甘みにふくよかな旨み。特筆すべきは酸の存在感。ここが秋鹿らしさ。しみじみうまい。

開春 西田 生酛純米★★☆
山田錦。軽い熟味と生酛ならではの乳酸感。俺はやっぱこのタイプが好きなんだな。冷やでも燗でもどちらも良さを発揮できる。これは自家熟成に向いてるかも。

多賀治 純米 雄町 無濾過生原酒★★
軽くガスがあって酒自体に活力を感じる。フレッシュでまっすぐ、爽快感がある。パイナップル系?甘みはそこまで強くないが雄町の芳醇さと旨みはしっかり表現されてる。

彦市 純米地元一貫造★★☆
冷酒だとあまり味の出てないありがちな田舎酒なんだけど燗つけると一気に化ける。旨みが増幅してふくよかに、なおかつこの酒本来のすっきりさも併せ持つため、いくらでも飲めてしまう。純粋に味だけなら★☆だけど、ここまで変化が著しいのは久しぶりだったため、この化けっぷりに★ひとつ追加。

笹祝 純米 無濾過生原酒★☆
山田錦酵母は901と1801でそれなりにフルーティな香りを出してきてる。どちらかというと甘ポチャ系の生酒なんだけど、旨みを出しすぎず後半のさっぱりさを同居させているため、意外に飽きない。案外ありそうでないバランスかも。ただ、ありがちな味と言えばありがちな味なので、さしたる驚きはない。某雑誌の日本酒特集で巻頭を飾ってたけど、正直そこまでかなあとは思う。

澤屋まつもと 守破離 no title★★★
これはすごい。含むと甘みは控えめでかなり強めのガス、なおかつガスの裏でまつもとにしては滑らかさすら感じる柔らかさがある。そしてガツンと強めでフルーティな酸。そのあとそれなりの旨みがやってくるものの、それを感じるのは一瞬で速攻でキレて行く。いろいろな日本酒を飲んできたが、含んでからキレまでの時間がここまで短いのは初めて。

七本槍 山廃純米 琥刻 2010 ★★
七本槍 山廃純米 琥刻 2011 ★☆
七本槍 山廃純米 琥刻 2012 ★★
いずれもよくできた熟成酒というか、すごくキレイに熟している。まあ年が古くなるにつれて順当に熟成感は増すんだけど、味わいのバランスとしては2012が最も酸が残っていて、かつほどよい熟味で好みだった。最もキャッチーで熟成酒に慣れてない人でも飲みやすいと思う。2010はまろやかで力強い。燗映えしそう。2011はこの二つの中間と言いたいところだが、飲み比べてしまうとちょっとどっちつかずな印象を受けてしまった。ちょい硬いし。多分単独で飲んだら充分美味いんだと思うけど。

蒼空 特別純米雄町 無濾過生原酒★★☆
甘みはほどほど、旨みのあとに華やかな酸が来る。輪郭もはっきり。雄町らしく芳醇でふくらみのある味わいながら雑味は皆無で、むしろ上品さすら感じる。このへんが蒼空らしさなのかな。非常にバランスがよく美味い。

特別純米 生★★
五百万石だが甘みも酸味もしっかりで濃醇。骨格がしっかりあるのでダレない。最後の苦味はほどよい程度なのだが、軽い渋味もあるため、ここがちょっとノイジーか。燗もまあ悪くないが冷やしたほうがベター。

花巴 山廃 純米大吟醸 無濾過生原酒★★☆
吟のさと。ガス。甘さは抑え目でビビッドな酸、そして花巴らしい乳酸系のヨーグリッシュな旨み。最後もスパっと早い手仕舞い。他の酒と比べるなら、no titleに乳酸を足した感じというか、クリスタル山廃である米鶴の山廃純米大吟醸を全体的に少し濃くした感じというか。それでも充分ライトだけどね。モダン山廃の代表的な味わいと言える。

篠峯 どぶろく 生★☆
活性。かなり酸が強く口中で持続する時間が長い。骨格はさすがに篠峯なのでしっかりしてる。アフターにはごくごく軽い苦み。燗は全体的に濃くなるだけであまりやる意味を感じない。

遊穂 山おろし純米 生酒 ゆうほのゆうき★★
甘みがさわやか。充分な旨みの中にほんのり生酛らしい乳酸感と熟成っぽさを感じた後にスっとキレる。大変美味しゅうございます。どういうわけか燗はむしろスッキリとキレが増す。これはこれで悪くないが、冷酒か常温くらいのほうがいい。と思ったらラベルの裏にも同じこと書いてあった。

松の司 純米吟醸 花伊吹 9BY★☆
立ち香からガッツリ熟成。味もどーんと熟成。まあ19年熟成なんで当然だけど。あふれる熟味の中にも松の司らしいしっかりとした輪郭を感じる。後半やや遅いタイミングで旨みがくるのは面白いかも。嫌味もなく非常に上手く熟成されている。

越乃寒梅 大吟醸19BY★☆
9年寝かせただけの熟成感は当然あるんだが、旨みがよく出てて磨きが30%とはとても思えない。引けが早いのでこの辺が淡麗辛口の代表銘柄らしさなんだろうか。実は越乃寒梅はこれが初めてなのでわかりませんが。
 
勢起 純米大吟醸 槽しぼり 19BY ★☆
山田錦45%磨き。明鏡止水の蔵のセカンドブランド。甘み弱い。きれいな熟味。アフターは長くじんわりと引けていく。

賀茂錦 荷札酒 生詰原酒 純米大吟醸 ver6.2★★
麹は山田錦で掛は五百万石。原酒でアルコール度数15。まずは柔らかい立ち香。そこから想像されるとおりのふんわりしたアタックと優しい甘み。旨みは軽い蜜のよう。酸は目立たないが旨みの輪郭をかたどっている。フェードアウトもふわりとしている。非常に上品で美味いが、量飲めば飽きるかなとも感じた。

小左衛門 純米 生酛造り備前雄町 火入れ★★
乳酸系の立ち香。アタック時点での甘みはほぼないが、乳酸系の旨みにちょうどいい感じの甘みが伴って広がる。酸もしっかりでしつこくない。27BYとあるので蔵で少し熟成させてから出荷してるのかな。とても好きなタイプ。思ったほど燗上がりはしない。むしろ燗冷ましが良い。まあ冷酒~常温で充分か。

完璧なDJ

ここ最近家でDJミックスを作成していて気付いたことがある。「現場におけるDJプレイは一つの作品である」ということ。(もちろんこれは俺がそう思っているというだけで、一般論ではない。) 

 

この考えは以前より漠然と持ってはいたが、明白に顕在化することはなかった。ただ、毎回現場でのDJ後に悶々として不全感を抱いていたのは確かだ。つなぎで一か所でもミスをすると必要以上に落ち込む。選曲で思った通りの流れを作れないと腹立だしいほどの不満を感じる。


なぜそこまで完璧を目指すのか?大局的に見て場が盛り上がったならそれでいいじゃないか。いや、それではダメだ。盛り上がりは必要だが、選曲も技術も完全に伴わないと意味がない。プライドか?自己顕示欲か?それも大いにある。だがそれだけではない。一体何がそこまで自分を追い込むのか。答えが出ないまま現場からは身を引いてしまったが、ここにきてようやくわかった。俺は現場でのプレイを一つの作品と捉えていたのだ。作品である以上、自分の完成イメージに対して妥協は許されない。

 

DJに対してはいろいろな考え方がある。DJプレイとはその場限りの刹那的なパフォーマンスであり、イベントを客と一緒に楽しむための手段で、それ以上でもそれ以下でもないというのが大方の見解だろうか。もちろん、DJ自身のエゴが介入することで、少なからず自己表現としての要素が加わることもある。簡単に言い換えれば「自分をかっこよく見せるための手段」だ。ただ、そこに時間芸術やインスタレーション作品としての完成度を求める人間はそう多くないだろう。

 

DJプレイは芸術作品であるべき、と言っているのではない。ただ、他の多くの人と自分はDJに対する考え方が違っていたというだけだ。もし自分の考えが大方の見解と同じであったなら、ここまで難しく考えて完璧なプレイができないことで悩むこともなかっただろう。

 

つなぎはノーミスかつ選曲もイメージ通り、さらに場も盛り上げる。現場でのプレイでこれらを行うのは至難の業である。相当のスキルとセンスが必要になる。少なくとも俺にとっては不可能と言っていい。実現するために考え付く方法といえば、候補曲を全て脳内再生できるまで聴き込む、どんな状況でも何も考えずにつなげるようになるまで体に叩き込むなど、要は不断の努力によってしか成し得ないと思っている。ところで、こんな血の滲むような修練をせずとも簡単にやってのけるDJもいるが、あれは一体どういうことなんだろうか。何か根本的に脳の造りが違うのか、センスが異常なのか。それとも実はこちらが気付かない程度のミスをしていて本人としては不満を持っているのか。いずれにしても俺は降りた。俺には無理だ。そこまでしてDJに魂を捧げる覚悟はない。

 

そうは言っても、ミックスを練り上げてドロップする行為そのものは曲作りと同じくクリエイティブな作業であり、非常に有意義である。それゆえ、現場を離れても宅録ミックスは時折制作している。現場に対する若干の未練と言えなくもないが。

 

宅録ミックスの場合、ミスは編集で全て修正できるし、流れも熟考できる。当然出来上がったものは自分の理想に限りなく近い。これを現場で再現出来たらどれだけ素晴らしいか。しかしそれは無理。そんな技術はないから当り前だ。つまり、自宅で時間をかけて念入りに作り上げたミックスと現場での条件反射で作りだしたその場限りのミックス、両者は似て非なるものである。現場で完成度に拘っていたころは、ここを混同して両者は同じものだと勘違いしていたのだ。現場DJを宅録同様に一作品として捉え、執拗なまでに完成度を求めるのはそもそも無理な話であり、それは本来(というか少なくとも俺レベルでは)編集作業を行うことでしか為しえないのだ。ここの勘違いに気付いたことで、これまでの自分の拘りの理由が明確になり、頭の中の靄が晴れた気がしたのだった。


そんなこんなでいろいろ考えながら作ったハロプロオンリーのミックス「The Anthology of Akabanebashi-funk 2017」を久々開催の#ClubGATASにて来場者特典として配布します。私は都合で行けませんが、いわずもがな最高のイベントですので!

5/27(土)23時~ Don't miss it!
http://clubgatas.hateblo.jp/entry/2017/04/02/145454